幸福の黄色いハンカチ
( 昭和52年作品 ― 松竹映画 )
我がペンションから車で12分の美幌峠は映画・幸福の黄色いハンカチにも登場した東北海道の眺望抜群の有名観光地です。

幸福の黄色いハンカチ 【 ストーリー 】
東京で働いていた欽也(武田鉄矢)は失恋してヤケになり、会社を辞め退職金で買った赤い新車(マツダ ファミリア)で北海道に旅に出た。
東京から郵船フェリー「まりも」で釧路港へ。
そして、あざやかな緑の根釧原野を欽也の赤い車は、ラジオの軽快なリズムに合わせてひた走り網走駅に着いた。
欽也が駅前食堂で引っかけたのは女一人でふらりと旅に出た朱美(桃井かおり)だった。朱美は列車食堂の売り子で、朱美がつきあっているカレシが「チャコと寝た」と同僚の売り子から聞かされ、朱美もヤケになって旅に出たのだ。

網走は刑務所のある町だ。同じ日その刑務所を出所した島勇作(高倉健)がいた。
朱美は欽也の車に乗せてもらい網走の海岸まで来た。そこで写真を撮ろうとしていた時、勇作もその海岸にいて欽也は勇作に写真を頼んだ。

その後「駅まででいいんですか?」と
欽也が聞く
勇作は暫らく考えて
「あんたがたはどこまで行くのですか」
朱美「今日は阿寒温泉にでも」
勇作「阿寒温泉かいいな〜」
欽也「だったら一緒に乗っていいですよ」と。

そして三人の旅は始まった。

その夜は阿寒のホテルで泊まることになった。
勇作は1人、「今日は他に空いている部屋がない」と欽也は嘘を言って、朱美と一緒の部屋をとった。
今夜こそモノにしてやろうと朱美の寝床に忍ぴ込んだが、大格斗の末に朱美に大声で泣かれてしまい、隣の部屋で寝ていた勇作に一喝を喰わされ、さすがの欽也もシュンとなってしまう。
翌日、そんなことから一旦は陸別駅で朱美や勇作と別れた欽也だったが、そのまま帰ることをためらったのか、近くで毛ガニをしこたま買い一緒に食ぺ、結局また3人で車の旅を続けた。
だがその直後、車を運転しはじめたが先ほど食べた蟹の食べすぎで(欽也は「カニアレルギー」だというが・・)尻のあたリがモゾモゾ。
草むらでもピイピイやる始末。それでもまだ下痢が止まらず、農家で便所を借りるため車を右側路肩に止めていた。
その間にトラクターが来てしまい、通行を妨げていたことから、欽也の変わりに朱美が車を動かす(朱美は「無免許だが仮免までいったがお金が足りなくて続けれられなかった」と言い・・・)が、路肩に落とし大失敗。勇作と欽也が車の後ろを押し一度は脱出できたが、そのまま止めることができず農家の牧草に突っ込んでしまったから欽也と大喧嘩。そのあとはキスをせまり、なんとも滑稽。
勇作が車の救済をそこの農夫(小野泰次郎)に頼む。3人の行動を見かねた農夫は結局一晩泊めてあける。
「今日のお前の行動は、おれの所では“草野球のキャッチャー”と言うんじゃ。わかるか!! “みっともない”ちゅうこった」と、勇作が欽也に親父ギャグ的説教をする。

翌日、広々とした十勝平野の美しい展望や大雪山系の白い輝きをながめながら帯広駅に着いた。
お茶でも飲んで勇作と別れようと話していたとき、駅前駐車場でチンピラ(たこ八郎)に絡まれたことから、勇作がその場をまるで映画のようにカバーし、欽也の車を運転してしばらく走っていたところ、


一斉検問にあってしまう。
強盗犯人が逃亡中であることが原因であった。警官(笠井一彦)は勇作に免許書の提示を求めたが提示しないため、挙動不審を見てさらに強く質問した。
「一昨日、網走刑務所を出ました。罪名殺人、刑期六年三ヶ月」。
その答えに朱美と欽也は驚き、勇作はパトカーで新得暑に連行されたが、たまたまそこに渡辺係長(渥美清)がいた。六年前傷害殺人事件をおこして立合ったのが温厚な警官の渡辺係長だった。
勿論、その取りはからいで何もなく勇作は解放された。欽也と朱美も一緒に警察までついて行き、勇作を待っていた。
その日走る車の中で勇作は重い口を開いて朱美と欽也にポツリ、ポツリ思い出話を語りだした。
勇作は若い頃無茶をやって三十過ぎて考えを変え堅気になって九州から夕張の炭坑で働き出した。

その頃町のスーパー・マーケットで働らいていたのが光枝(倍賞千恵子)だった。
勇作は光枝と死ぬほど恋をして結婚した。

そして数年は幸福な日が続いた。

だが折角出来た赤ン坊を流産してしまったその夜、酔っぱいのチンピラ男「炭鉱夫かも(赤塚真人)」が飲み屋からふらついて道(勇作が歩いているすぐ前)に出てきたため、その男を押しのけるように突き飛ばしたことから、もう一人いた マサ(マサことマサオ)と共に因縁をつけられ、その仕返しで勇作はついカッとなってマサオの首を何度も殴打してしまい、そのまま死んでしまった。


   勇作は六年間、暗い刑務所で過した。
だがその間、勇作の心から離れなかったのは光枝の面影だけだった。
刑期を於える前、勇作は光枝に手紙を書いた。
「俺はお前が他の良い男と再婚して幸せになっていることを望んでいる。この手紙がつく頃、俺は夕張行くが、もしも、もしもだ、お前が今でも独りで暮しているなら庭先の鯉のぽりの竿の先に黄色い布をつけておいてくれ、その布を・見たら俺は家に帰る。でも布がなかったら、俺はそのまま夕張を去ってゆく」と。

その話を聞いた朱美と欽也は声をふるわせて泣いた。感動の涙である。
車は赤平、歌志内、砂川を過ぎて一直線に夕張に向った。
朱美も欽也も「きっと勇作さんの奥さんは待っていると」と、心に念じながら…。

情熱を現わしたような欽也の赤い車は、やがて夕張の町に近づいた。
でも勇作の心はなぜかふるわなかった。引返そうとも言い出した。
陸橋を越え町に出て車は大きくカーブして炭坑街の坂を登っていった。
その時欽也と朱美の眼に映ったものは角の家の狭い庭先の不釣合な高い高い竿の先の上から下まで、ズラツと何十という黄色い旗の満艦飾であった。

欽也と朱美はその手と手を固く握りしめた。勇作は黙って歩き出した。

その黄色いハンカチのたなぴく家から光枝らしい女性が洗濯物をかかえて出てくるのが二人の眼に強く灼きついた。
朱美と欽也は車を走らせながら、いつまでも泣いていた。



   【 解 説 】
「幸福の黄色いハンカチ」は、3月雪の夕張、札幌ロケからクランク・インし、更に5月、 絶好のシーズンを迎えた本格的な第二次北海道ロケを敢行、釧路、網走、阿寒、陸別、帯広、十勝清水、富良野、夕張と27日間、2,500Kmを走破した。そして、8月より第三次ロケ(主に夕張での回想シーンの撮影)及びセット撮影を開始、8月末にクランクアップした。

この作品は、日本映画界の至宝山田洋次監督の素晴らしい才能と、“男”を代表する高倉健の素晴らしい素質の出会いであり、他に倍賞千恵子と映画初出演の武田鉄矢(海援隊)、桃井かおりが新鮮な演技陣として競演。
更に、渥美清、太宰久雄の出演も大きな話題のひとつである。

ニューヨーク・タイムズ、リーダーズ・ダイジェストに掲載されたピート・ハミルの原作をもとに映画化されたもので、ドーンによって作詞・作曲され、アメリカの代表的なフォーク・ソングとして若い人にも楽しまれている。

山田洋次監督の代表作の1つで第1回日本アカデミー賞作品賞、昭和52年度キネマ旬報ベストワン、ブルーリボン作品賞などこの年の映画賞を総ナメにしたロード・ムービーの傑作。
無数の黄色いハンカチがはためく感動シーンは、日本映画史上に残る名シーンの1つ。

勇作を演じた高倉健と、欽也を演じた武田鉄也の対照的ながらも味わい深い演技も見どころ。
また、朱美を演じた桃井かおりのアンニュイな雰囲気漂う演技も高い評価を得た。

※映画のパンフレット(昭和52年当時、映画館で購入した物)を参考にしていますが、
文字の間違いがいくつかあるようです。
パンフレットには「朱実---桃井かおり 渡辺課長---渥美清」となっていますが、
実際の映画では「朱美---桃井かおり 渡辺係長---渥美清」となっていますので、訂正しています。


◆阿寒湖の温泉は、神奈川県湯河原温泉:水の口園
◆阿寒湖の薬局は、夕張の薬局で撮影され、薬局おじさんは、玉生久宗さん(スタッフで進行係)。
◆夕張の医者は、水原医院。医者と看護婦は水原医院。
◆俳優の里木佐甫良さんは、欽也の工場の社長。
◆俳優の河原さぶ(河原裕昌さん)は、赤塚真人と夕張のチンピラ。
◆マツダ社員(欽也が赤いファミリアを買った時)は、マツダ販売店社員である川崎さん。
◆島光枝(倍賞千恵子)が妊娠したことが分かった時、島勇作(高倉健)がお酒(多聞)をもって車から降りるシーンでブルーバードを運転していた人は、夕張で吉野家を経営する高橋伸一郎という人だそうです。
< 参考:北海道ロケ地 2012

挿入歌 なごり雪(イルカ)
 【出 演】
島 勇作:高倉 健 / 島 光枝:倍賞千恵子
花田 欽也:武田鉄矢 / 小川 朱美:桃井かおり
帯広のヤクザ:たこ八郎 / 農夫:小野泰次郎
旅館の親父:太宰久雄 / ラーメン屋の女の子:岡本茉莉
警官:笠井一彦 / チンピラ:赤塚真人
フォークグループ:統一劇場 / 新得警察署 渡辺係長:渥美 清
協力:東洋工業(マツダ)

 【スタッフ】
原作:ピートハミル / 監督:山田洋次 / 脚本:山田洋次・朝間義隆
製作:島津 清 / 製作補助 小坂一雄 / 撮影:高羽哲夫 / 音楽:佐藤 勝 / 製作宣伝:藤谷正雄
美術:出川三男 / 録音:中村 寛 / 調音:松本隆司 / 照明:青木好文 / 編集:石井 巌
監督助手:五十嵐敬司 / 進行:玉生久宗 / 進行助手:早川喜康 / 製作主任:峰 純一
スチール:長谷川宗平 / 宣伝プロデューサー補助:池田荘太郎

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北海道が舞台の映画
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