新潟県中越地震の被害

2004年10月23日夕方に起きた新潟県中越地震では長岡市では震度6弱を 記録し,甚大な被害が発生しました.自宅は一部損壊で済みましたが, 庭は崩壊し石垣も崩れました.この地震で大事にしていた望遠鏡が ドーム内壁にもたれかかる事態になりました.以下はそのとき撮影した ものです.

地震で仰向けにひっくり返った望遠鏡です.辛うじてドームの内壁に 当たって完全倒壊を免れました.


こちらは正面から見た様子です.赤道儀の裏側(オレンジ色の部分) が見えています.25cmカセグレンンの主鏡と副鏡および10cm屈折は 外してあります.ニコンの10cm屈折はスリット開閉用のハンドルに ぶつかり傷がついてしまいました.見たくなかった光景です.
 

赤道儀の左右調整用に支点となるピンが曲がっています.


赤道儀の左右調整用のボルト部分です.このように曲がっている状況 からして,最初の地震で浮き上がってネジの上に載り,次の地震で 仰向けになったものと推測できます.調整用ボルトを強く締め付けて いれば浮き上がりを防いだかもしれません.

 
10月27日の余震で望遠鏡の傾きがひどくなったので,ロープで倒れな いよう固定しました.この時はスリットも地震で開きました.雨が 降っていなくて幸いでした.


その後,望遠鏡をウインチを使って起こしました.望遠鏡が当たった ところは鋼板がずれたり,ドームの一部が変形したりしましたが, 使用上の障害には至りませんでした.地震発生は17時56分だったので すが,何故か星座時計は17時43分で止まっていました.完全復旧まで 時計の針はこのままにして置きました.

 

 2005年7月に望遠鏡の修理が済み,観測を再開しました.25cmカセグレンの 鏡筒は新品となり,一層輝きを放っています.鏡筒を赤動儀に載せ,主鏡,副鏡 を鏡筒に納め,ニコンの10cm屈折を同架しました.光軸を合わせた後に 星座時計に電池を入れ,晴れて地震前の状態に戻すことが出来ました.ニコン 10cm屈折は車用のタッチアップペイントで補修しましたが,色を合わせるのが 難しく仕上がりは不満の残るものになりました.