星食観測のページ

【星食観測】

 星食という言葉は日食や月食と較べるとなじみが少ないと思います.星が月によって隠されるのが”星食”です. 月は天球を白道に沿ってほぼ4週間で西から東に向かって一回りします.ここで白道は天球上で月が動く道筋 です.月は毎日50分位ずつ遅れて出てきます.そのため白道のそばにある星は月によって隠される現象が頻 繁に見られます.星が月によって隠された時刻を測ることで,その時刻の月の位置が正確に求められます. 星食観測の意義は時代とともに変化しています.
 長い間,海上保安庁海洋情報部内の星食国際中央局では世界中の星食観測のデ ータを管理していましたが, 現在は IOTA (International Occultation Timing Association, 世界掩蔽観測者協会)にその業務が移りました.それに 伴い,星食観測結果は日本では 星食観測日本地域コーディネーターに報告 することになっています.

【観測の実際】

 観測には25cm反射カセグレンを使って撮影したビデオ映像から時刻を読み取ります.ニコンカメラアタッチメントを使い, 接眼レンズにペンタックス K-40 mmを使い,CBC社の 16 mm, F1.4のレンズを付けた WATEC-100N をコリメート法で 接続し撮影します.この場合,望遠鏡の焦点距離 3774 mm を40%に短縮した縮小光学系になり,焦点距離はおよそ 1510 mm になります.ワテックのCCDカメラ(WATEC-100N)の出力をタイムインポーザーTIVi を通してソニーの Hi-8 ビデオカセットレコーダーに入れ, TIVi による時刻(1/100秒単位まで表示)と一緒に録画します. 撮影終了後,テープを再生し星が消えたフレームとひとつ前のフレームに記録された時刻の中間値を観測時刻とします.


     ビデオ撮影システム             望遠鏡に取り付けた状態


     保時関係(TIViと電話)


          観測風景(左)と録画された星食現象(右)

 星食観測予報ソフトウエア,OCCULT Ver.4 の予報時刻30秒前からは録画を開始し,終了後も30秒程度 録画を続けます.タイムインポーザーの時刻は電話の時報から求めます.電話の時報と標準時との誤差は 0.03秒程度といわれているため,ビデオ観測の時刻の精度は0.07秒です.

【観測地の位置】


私は長岡市役所から国土基本図(縮尺1:2500)を求め観測地点の位置決めを行っています.Google Earthでも 位置を求めることができます. 観測所の位置は
東経 138°50′26"48
北緯 37°26′43"56
標高 31.1 m(観測に使用している望遠鏡の赤道儀の不動点の高さ)
です.
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