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神々への扉を開く 「学研ムーNo26号」より
性 の 神 秘 文・写真 ミゲル・ネリ
古代の奥義が伝える性と超人の秘密!
世界中あらゆるところに見られる性信仰や男根崇拝のおびただしい痕跡はいったい何を物語るのだろうか?アカデミックな考古学や人類
学者は古代文明の性信仰を、単なる「生命の肥沃さに対する信仰」だと言う。が、古代の奥義が伝えるところによれば、性とはそれだけの
ものではなかった。だはいったい、「性の神秘」とは何か?
性は神々の出発点
現代において性は、生殖と快楽のための生物的機能としてだけ考えられている。しかし、このような狭い見方は、古代の賢者たちが性に
対していだいていた考えとは、あまりにもかけ離れているといえる。人間に生命と肥沃さを与えるのは性エネルギーであり、性は一股的な
概念以上に深いプロセスを持つものである。
この宇宙に存在するすべては、月と太陽エネルギーとの交差、すなわち陰陽の結びつきから創造されたことを考えるとき、性のプロセス
をまったくの生殖と考える限られた視野から脱し、創造との関連を見いだすことができる。
現代文明の基盤となってきた栄光ある古代文明において、人々は神々を崇拝し、宇宙創造のエネルギーと関連づけた。エジプトのファラ
オやマヤの司祭たちは、神聖な「性の神秘」を、素朴に、また厳粛に、何世代にもわたって伝えたのである。神殿やピラミッドに残された絶
妙の彫刻やレリーフは、彼らのその深い英知の動かすことのできない証である。
◆「性の神秘」の奥儀、聖なる母と黄金体 |
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性は神々が人間となったときに通った扉であり、したがって、人間が神々となるために通る
ぺき扉であることを、それらは強調して示している。「性の神秘」とは、すなわちこの扉を開け
る鍵であり、人間の段階から超人に、そしてさらに永遠なる存在となるための秘密のフォー
ミュラ(公式)を基礎としている。
エジプトにおける性
世界中の博物館に受け継がれた数多くの古文献も、その聖なる秘密を解説すべく研究さ
れているが、それらの中にアトランチスの選ばれた生存者グループが、英知をどのように継
いできたかを物語るものが存在する。
これらの生存者グループとは、チベット、中国、日本などで、エジプトや中米と同様に、イニ
シアティックな(奥儀に通じた)教えを伝えた。そしてこの教えは、意味を知る人はごく限られ
ているとはいえ、時の流れの中でそのエッセンスを損ねることなく、儀式やシンボルを通して
守られ、伝えられてきた。
その一例として、エジプトには有名な『死者の書』がある。それは永遠なる生命を我がもの
とし、真のファラオの段階に達する術を、儀式を通してわれわれに示している。
また、上エジプトのカルナック、ルクソール神殿にも同じ教えの痕跡が残されている。ミン
神の示すエレクトした男根は、神々と一体となるための性エネルギーの重要性を物語ってい
るのだ。
こうした「性の神秘」は、エジプトではコンスー神によって教えられた。カルナックに今でも
残る神殿と神殿を結ぶ大通りの両側には、黄金の角の羊頭のスフィンクスがあり、この大通
りをイシス(巫女)に導かれて、アデプト(帰依者)は清めの泉まで儀式行進をした。
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神殿の中は歌と花と香に包まれ、パワーの言葉「マントラ」が、高次の霊を呼ぶために響きわたった。このようにして最も重要で最も厳粛
な教え「神々となるための人間の人間自身による創造」という信仰儀式に入門したのである。
エジプトの巨大なオヘリクスは男根の象徴 ↑エジプトのカルナノク遺跡。33匹の黄金の角の羊頭 エジプトのミン神。エレク卜した男根が
である。 スフィンクスがひかえる大通りを、アテプト(帰依者) はっきりと描かれている。これは“神々と
は清めの泉まて儀式行進をしたという。それは神々と 一体になるために必要な性エネルギー”
なるための人間を創造する奥儀の出発点てもあった。 を表している。
コンスー神の教えを卒業すると、アデブトはイニシエート(奥義参入者)となり、神聖なるロゴスの象徴=アンクの十字を、天と地を結ぶ
ため、限りあるものを限りないものとするために与えられた。そして、地上での使命を終えると、高等神秘(メジャーミステリー)のイニシエート
達はミイラ化され、「永遠への復活」を象徴するスカラベ(こがね虫)をその左胸に置かれた。
復活−−−。エジプトで発見された棺の70%から、ファラオのミイラが消え去っているのはこのためなのである。固く封印され宝も手つ
かずのまま発見された墓に、ミイラが不在であることはしばしばあるのだ。つまり彼らは、死をも超越する奥義を身につけていたのである。
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性が退廃した口−マ
栄光ある偉大なエジプト文明の時が去り、使命を終えると、ギリシャ
文明が開花した。エジプトのコンスー神の名は、ギリシャではデイオ
ニシウスの名に変えられ、オシリスはゼウスに、そしてユレウシスの
歌と舞を通して、性と復活の秘密が教えられた。
ヘルメス=マーキュリーは神々のメッセンジャーと考えられた。な
ぜなら、マーキュリー(水銀)は生命の水を表し、神々と人間を結ぶ仲
介者だからである。
のちの古代ローマでも、秘密の知識を引き継ぎ、ディオニシウス神
はバッカス神と名を変え、聖なるぶどう酒と純粋な愛を捧げられた。し
かし、ローマが領土を広げ、大帝国を築きあげるにしたがって、道徳
的・宗教的原則は、物質欲や肉欲にとってかわられ、バッカス神への
信仰は、古代ローマの神殿や宮殿におけるオルジー(酒神祭、らんち
き騒ぎの宴)へと退廃してしまった。
この時代を境として、性はその実の意義と儀式的機能を失い、官能
的快楽のシンボルと化していったのである。
白タントラの教え
さて、東洋において男根崇拝の伝統はさらに固く閉ざされ、ほとん
ど侵入不可能な秘密であった。しかし、俗界から遠く離れたチベットの
ラマ教僧院では、巫女を伴ったタントラの教えが伝授された。またマン
ダラにも、性エネルギーの操作に関する数々のプロセスが示されてい
る。
彼らの教えた「タントラの道」は、彼らが「神秘的な死」で象徴したとこ
ろの心理浄化、すなわち人間のエゴ、自我の根絶を伴う厳しくもすばら
しい教えである。
タントラには数多くの性的な彫刻が残されているが、彫刻としての表
現で栄華の梅に至ったのは、何といってもインドだろう。カジュラホの空
高くそびえる寺院群の壁に、あふれるばかりの量で施されたエロチック
な彫刻には、だれもが目を見張らずにはいられない。
寺院の最上段の彫刻は、神聖な創造的性を表す、いわゆる「白タント
ラ」であるが、これは性エネルギーを決して消耗することなく、自分自身
に命を与えるために使う方法である。
詳しくは後の『性エネルギー昇華秘法』で述べるが、すなわち脊柱の
仙骨にある聖なる母「タングリーニ」を目覚めさせ、脊柱に治って上昇、
昇華させる。そしてチャクラを開花させ、悟りへと至る性エネルギー操作
法である。
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インド、カジュラホにある性の寺院。外壁を埋めつくす彫刻群
は、タントラの道を表現したものだが、それは悟りへと至る性
エネルギーの操作法だった。
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日本にある性の秘儀
日本では仏教伝来以前、すでに神道に男根崇拝がみられ、その儀式の中にも性の秘儀的な教えを、シンボルと比喩によって表現した
ものがある。また、奈良時代に始まったといわれる相撲も、偉大なアテネでオリンボスの神々に捧げたオリンピック・ゲームと同様に、錬金
術的シンボルを秘めている。
錬金術の3大要素である塩、水(または水銀)、硫黄(火のカ、戦いの力)は、それぞれ相撲儀式の中に見られる。土俵入りの儀式では、
まわしの背中の丸い輪(太陽を表す)と同じ七五三縄(しめなわ)で表したものが、2本の上昇するチャンネルで、性エネルギー上昇を暗示
している。力士が受け取る弓と矢もまた、キューピッドのそれや、神道の破魔矢(はまや)と共通して、性エネルギーを表すものである。
マヤの遺跡と性信仰
最後になったがメソアメリカ文明においては、マヤ、アステカもまた、深い敬虔な信仰を性に対して捧げていた。彼らの主要神であるケツ
ァルコアトル(マヤ地域ではクタルカン)は羽毛の蛇であるが、蛇は常に性と関連している。聖書にあるように天国におけるアダムとイヴの原
罪は、蛇による誘惑(性的誘惑)だった。しかし誘惑に打ち勝ち、この蛇がワシの羽根でおおわれる(精神エネルギーで包まれる)とき、地を
はう蛇は天高く舞い上がる「羽毛の蛇」となるのである。
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蛇と龍は常に性信仰に関連したシンボルである。それは蛇という動物
は、温度差や振動に最も敏感に反応する性質を持つからである。また蛇
は脱皮をするが、これは再生を表し、蛇の二股の舌は、陰陽、すなわち
性エネルギーの二極的用途を示している。
マヤの人々が教えた「性の神秘」は、現在に至るまで多くの遺跡に痕
跡をとどめている。ウシュマルには神殿前の巨大な男根をはじめとして、
何百というおびただしい数の男根が発見されているし、パレンケの奥深
いジャングルに残る寺院でも、男根をひときわ大きく示したレリーフが残
されている。
天文学では他に類を見ない発展をとげたチチェン・イッツアでは、チチ
ェン・ビエホと呼ばれる最も古い地域に、男根寺院が残されている。14歳
から21歳までの若者が、結婚のために準備し、創造的性=性エネルギ
ー昇華の秘密を伝授された場所である。
「性の神秘」とは?
こうした「性の神秘」は、、冒涜されたり悪用されたりすることを防ぐた
めいつの時代も奥義中の奥義と して守られてきた。そして、ごく限られ
た人々にのみ、神聖な寺院で伝えられていったのである。
また、興味本位の探検家達の道を迷わせるために、名を変え、表現を
変えたので、彼らにとってはそれと認めるのが不可能なものだった。しか
し常に、犠牲をはらい冒険をおかしても、英知を探し求める勇敢なアデプ
トには、一条の光をもらす窓が残されていた。
たとえば、エジプトでは「トト神の神秘」(コンスー神の教え)、ヘブライ
の人々は「契約の箱」(神がイスラエル人に与えた約束)といい、中世の |
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錬金術の黄金の子とも。卑金属を黄金に変える錬金術もまた、
性の奥儀か根本にある。性の偉大なエネルギーは、すべてを
創造する源なのてある。
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錬金術師たちは「哲学の石」「賢者の石」の名で呼び、卑金属を黄金に変える術といった。また、若さを保ち永遠の生命に至る秘密である
ところか「不老長寿のエリキサ」、中国では「仙丹」などとも呼ばれ、「グラン=アルカーノ(偉大なる秘儀)」として多くのイニシエートたちが願
った「復活」を手に入れるための秘密でもあったのだ。
アンギュラ・ストーン
人間の精神進化における性は、隅石(角のある石)、または神秘の寺院の礎とされ、この土台なしではわれわれ自身の存在はおろか、
創造の神秘も何ひとつ理解することはできないのである。
しかし、時はめぐり、1962年からはアクエリアスの時代、光の時代の到来が告げられた。英知を求めるすべての人々に、秘密が明かさ
れる時が来たのである
このグラン=アルカーノのキーを公表した近代的錬金術師、サマエル・アウン・ベオールは、コロビアのサンタ・マルタ山脈て原住民や農
民の治療をしながら、初期の作品『完全なる結婚』『性の錬金術』『神秘医学手引書』を発表した。しかしその後、公式の医学界を追われメ
キシコに移り住み、70冊に及ぶ著書を人類に無料で提供したのである。ここに魂の進化を望むすべての人に「性の神秘」はベールを脱い
だのである。
そのエッセンス、実用的なテクニックこそ『性エネルギー昇華秘法』なのである。ではその秘法とはどんなものなのか?
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