では、妨げるものが何もないのであれば、どうして天体の運動は上方へと導かれず、それ自身へと回転して戻り、円を描いて運動するのであろうか。それは、天体が、あらゆるものの中でもっとも希薄なものとして表層にあり、すべての物体の中でもっとも高い所に位置し、またもっとも可動的だからである1)。実際、最高度に圧縮されたもっとも重い物体が、最下部にあるとともにもっとも静止的であるのと同じように、もっとも希薄でもっとも軽い物体は、最上部にあると同時にもっとも可動的なのである2)。こうして、その本性において上部の表層にある天体は、本性的に運動するように生まれついているのであるから、また、そのようにして表層にある天体は、それ自身の本性によって、それが接しいている数々の表面から分離することが不可能なのであるから、さらに、天体が接している数々の表面は球面でもあるから、天体は必然的に、それらの回りを魂の本性によってではなく、物体らしいそれ自身に固有の本性によって、休みなく駆けめぐるのである3)。と言うのは、天体は場所から場所へと次々と場所を変えているが、この運動こそ、数々の物体にとってもっとも固有な運動だからである。それは、ちょうどそれと正反対の静止が、(運動とは)正反対の状態にある数々の物体にとって、もっとも固有な状態であるのと同様である。