ギリシア人の賢人たちによると、地球には南半球に居住可能な二つの温帯があるそうである。そして、それらの各々は、二つの居住地域に分けられ、そのような居住地域は(合わせて)四つである、と彼らは考案している1)。またそれゆえに、地球上には四種類の人間が存在して、互いに他方の所へ渡って行くことができない状態にあると、彼らは主張している。すなわち彼ら賢人たちによると、我々と、はすかいに南半球の温帯に居住する人々がいて、彼らは地球の熱帯によって我々と分断されている。また、これらの人々と反対の位置に居住する人々がいて、彼らはこれらの人々から見ると、その熱帯の下に居住しているように見える。それは、あたかも、我々に対して我々と同じ関係を持つ人々がいて、彼らの内のある者たちは、我々に対して正反対の位置にあり、またある者たちは、我々に対してひっくりかえって足を逆さまにしているのと同じようなものだ、と彼ら賢人たちは主張しているのである。たしかに彼らは、大地の基をなす球体の十分の一の部分を除いて、他の部分はほとんどすべてが、水の深淵によって洗われているのを知らないのである。