92 参与する数々のものに、熱と光とを減退することなく分け与える太陽が、それらを本性的かつ実体的な諸エネルゲイアとして持っているのと同様に、神の数々の分与も、減退することなく分け与えられるおん方の内に内在し、そのおん方の本性的で実体的な諸エネルゲイアとなっている。また、太陽が大地の下にあって、地上の人々を置き去りにしている場合には、太陽の光の痕跡は跡形もなく消えている。また、その光線を享受した目は、その光線と混ざり合い、その光線を通して光を放射する太陽と一つに結び合わされることもない。しかしながら、太陽から来る熱や、数々の感覚的なものの生成と成長のために多種多様な異なった液体や諸性質を寄せ集める熱によってもたらされる数々のものは、たとえ(太陽の)光輝を通して太陽との接触を持たなくても、それら(の感覚的なもの)を置き去りにしはしない。それと同じように、いわば感覚的なものにおけるおぼろげな比ゆに基づいていえば、超自然的でこの上もなく神的な光に突き進む者たちだけが、神化する恵みに混じり気なく与り、その恵みを通して神と一つになることができるのである。他方、その他のすべてのものは、創造するエネルゲイアによって成し遂げられた数々の結果であり、恵みによって、すなわち賜物として無からもたらされたものであるが、神の輝きの別名に他ならないその恵みによって、栄光を受けることはないのである。

 

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