11 たしかにエーテルは、火に比べれば極めて明るく輝いており、火の方も可燃物と呼ばれている。また、火は空気の球よりも数倍大きな容積を持っており、空気の方もまた、水よりも大きな容積を持ち、水も地よりも大きな容積を持っている。この水は、最高度に圧縮されていて、天下の四つの元の中で容積がもっとも小さいものとなっている。したがって、地よりも数倍大きな水の球が、もしも全地の周囲に拡げられ、一つの中心の回りを両者の球――すなわち地と水の(球)――がめぐるようにされたとすれば、水は陸上動物に、地球のいかなる部分も使用することを許さなかっただろう。なぜなら水は、地球の地面の一切を覆い隠し、地球の表面のすべてを大きな尺度で超え拡がっていただろうから。ところが水は、地球の表面の一切を取り囲んでいないのであるから――実際、我々のもとにある居住地域の陸地(部分)は(水で)覆われていない――、そうであれば、水の球はまったく必然的に中心を逸れていることになる。そこで、それがどれだけ中心から逸れているのか、そして、その中心はどこにあるのかを検討しなければならない。果たして(その中心は)我々に対してより上方にあるのだろうか、それともより下方にあるのだろうか。しかしそれがより上方にあることは、とうてい不可能なことである。事実、我々は、水の表面が我々の下に部分的にあるのを見ているのである。してみると、水の球の中心は、我々に対してと同様に、地球の中心それ自体よりも、一層下方にある。さて、残るは、この中心が地球の中心からどれだけ離れているかを検討することだけである。