125 エウノミオス派の者たちは、神について語られるものはすべて、実体に関して言われるものだと考えているので、おん父とおん子には同じ実体が属していないと思っている。そして彼らは、産み出すことと産み出されることとは異なるから、それゆえに複数の異なる実体が存在する、といきりたって主張している。また、アキンデュノス派の者たちは、神について語られるものはすべて実体であると考えているので、神的な実体と神的なエネルゲイアを持つおん方とは、同じ神ではないと思っている。そして彼らは、もしも神的な実体と神的なエネルゲイアとに何らかの違いがあるとすれば、多くの異なった神々が存在することになる、といきりたって主張するのである。そこで彼らのために、次のことが示されている。すなわち、神について語られるもののすべてが、実体に関して言われるのではなく、相対的に、すなわち神ご自身ではないものとの関係において言われるのだ、ということである。たとえば、おん父はおん子との関係において言われる。と言うのは、おん子はおん父ではないからである。また、(神は)服従する被造物との関係において主とも言われる。なぜなら神は、時間と代の内にある諸々のものおよび諸々の代それ自体を支配する主だからである。しかし支配することは、実体とは異なる、神の造られざるエネルゲイアである。なぜなら、それは、神ご自身ではない何か他のものとの関係において言われるエネルゲイアだからである。

 

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