138 神の三つのヒュポスタシスには、我々の場合のように一つの類似したエネルゲイアが属しているのではない。それらには、まさしく数のうえで本当に一つのエネルゲイアが属しているのである。アキンデュノスの諸見解を抱いている者たちは、このことをいうことができない。と言うのは、彼らは、造られざるエネルゲイアが三つ(のヒュポスタシス)に共通しないと主張するばかりか、彼らによると、神のエネルゲイアは共通しながゆえに、それらの諸ヒュポスタシスは、相互に(別個の)諸エネルゲイアになっていると言っているからである。そういうわけで、彼らは、一つのエネルゲイアがこのような(共通するという)意味で三つ(のヒュポスタシス)に属しているということができないのである。それどころか、彼らは、このようにそのつど他方の(共通する)エネルゲイアを排除しているのであるから、彼らはそれによって、三つのヒュポスタシスを有する神をヒュポスタシスを持たないものにしている。

 

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