13 地の球が円であるとして、その内側にΑ、Β、Γ、Δが書き込まれているとする。そしてその円の回りには、水の球の代わりに、別の円がめぐらされ、その内側にある円の上部の十分の一と表面とが合わせられていているとする。そして、その円にはΕ、Ζ、Η、Θが書き記されているとする。そうするとたしかに、我々に対して下方にある、内側の円の末端は、外からめぐらされている円の中心となっていることが見出だされるだろう。ところで、この円は直径にして二倍である。また、幾何学の証明によって、直径が二倍の球は、半分の直径の球よりも八倍大きいことが知られている1)。したがって、この水の球の八分の一が地と複雑に入り乱れていることが帰結する。そういうわけで、きわめて多くの泉が地から吹き出し、数々の川のとても豊かで悠久の流れが蕩々と涌き出し、少なからぬ海水をたたえた入江が地に注ぎ込み、沼沢の多くの水が注ぎ出るのである。また、地を掘って地下を流れる水を見出ださないような場所はほとんどないだろう。

 

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