23 さて、もっとも秀でた製作者は、万物の(天と地の二つの)端境の各々にそのような位置を割り当て、このすべてをいわばコスモス(秩序)として巧みに秩序付け、始動させたり、運動させたりなさった。さらにそのおん方は、それらの端境の中間にあるもののそれぞれに、それ相応のものを割り当てられた。そして(それらの内の)あるものは上方に配置し、中空を駆けめぐり、万物の最上位の端境とともに、一様な仕方で、とてもみごとな秩序を保ちながら、永劫に天駆けるようにお定めになった。そして、それらのものが、きわめて軽く能動的で、しかも下位に存在するものを有益に変形するほどの大きな力を有しており、その分だけそれらは中間物を超えて上方に位置しているのは、まったく明白である。かくして、それらのものは、あたり一面に炎を当てながら、中間にある冷たさの行き過ぎを十二分に削ぐことができるのであり、また、熱に固有な行き過ぎを(それ自身の)場所に押し留めることができるのである。そして、それらはのものは、逆方向に固有な仕方で運動して、最上位の端境にあるものの運行の行き過ぎを何らかの仕方でくい止め、しかも、その逆方向の周転によって、かの端境にあるものを(それ自身の)場所に押し留めるのであり、また、我々には、ひととせの四季のとても有益な移り変りと時の間隔の尺度とを提供し、さらに、理解力のある人たちには、創造し配置し秩序付ける神の認識を提供する。こうして神は、(二つの端境の間にあるものの)一部が、このように二通りの仕方で、すなわち、宇宙全体美しさと多種多様な利益のために、空中をより高く多様な旋回をしながら踊り回るようにされた。他方、その他のものは、下の方に、しかも(宇宙の)中心の回りに置かれた。それらのものは、重さを持ち、その本性のおいて受動的であり、また、生成し変化することを本性としており、しかも、分割され結び合わされる。いや、むしろそれ以上に、それらは、(万物の)便益のために変化するものとなっている。神は、秩序正しくそれらのもの、およびそれら相互の関係を設定されたが、その結果として万物の一切は、真の意味でコスモス(秩序)と呼ばれうるようになったのである。

 

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