32 人間たちの各々の魂は、その魂に即して生きる身体の生命となっており、また他のものとの関係において、すなわちその魂によって生命を与えられるものそれ自体との関係において見られる現実態として、生命を与える能力[生命原理]を有している。しかし人間の魂は、ただたんに現実態としてのみ生命を持つのではなく、実体としても生命を持っている。と言うのは、人間の魂は、それ自身で生きているからである。実際、人間の魂は、明らかに身体の生命や身体を通したものとは異なる、理性的で知性的な生命を持つと見られている。それゆえ身体が滅びても、その人間の魂がともに滅びることはない。さらに人間の魂は、(身体と)ともに滅びないということに加えて、不死のままあり続ける。なぜなら人間の魂は、他のものとの関係において見られる生命ではなく、それ自身で生きる生命を実体としても有しているからである。

 

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