65 この照明に与る人たちは、その照明を(その参与の)分だけ所有する。そして彼らは、その(参与)度合いに比例して、諸々の存在者の認識をも所有する。そればかりか、天使たちもその照明に与っていること、またその照明は造られざるものであること、さらにそれがおよそ神の実体ではないことを、神的な知恵に満ちた神学者たちの書物を適切に読む人たちならみな、知っている。ところがバルラアムとアキンデュノスの見解を抱く者たちは、この神的な照明に対して冒涜を働いている。彼らは、その照明が被造物だとか、はたまた神の実体だとか言い張っている。そして彼らは、その照明が被造物だというとき、それが天使たちの光になっていることに同意しないのである。そこでいま、アレイオス・パゴス出身の神の顕示者に登場してもらうことにしよう。彼は、これら三つの問題を簡潔に解明しているのである。すなわち彼は、こう言っている。「円を描いて動く数々の神的な精神は、美しく善きものの、始元なく終わりのない諸々の照明と一つに結ばれている1)」と。いかにも彼が、善い天使たちを数々の神的な精神と言っていることは、誰にとっても明らかである。また彼は、それらの照明を複数形で提示することによって、(それらを)神の実体から区別している。なぜなら、神の実体は一つであり、絶対に不可分だからである。そのうえ彼は、始元のなく終わりのない(諸々の照明)といい添えることによって、それらの照明が、造られざるものであることを我々に示している。一体これ以外に何を我々に示しているのだろうか2)。

 

次へ