72 おん父なる神は、預言者ミカを通して、おん独り子の肉による誕生をあらかじめお告げになり、さらにおん独り子の神性の無始元性をも明示しようと望まれて、「しかも、彼の数々の出立は、元に、永遠の日々に由来する(Mi 5.1)」と言われた。そして神的な教父たちは、これらの出立が神性の諸エネルゲイアであると説明している。なぜなら、おん父とおん子と霊とには、同じ諸デュナミスと諸エネルゲイアとが属しているからである。ところが、バルラアムとアキンデュノスの見解を抱いて、(日頃の)遺恨を晴らそうと躍起になっている者たちは、それらの出立が造られたものであると振れ回っている。だが、彼らは、いつか後ほど正気を取り戻したときに、元に由来するおん方が誰であるか、ダビデが「あなたは永遠から」――これは永遠の日々からというに等しい――「永遠にまします(Ps 89.2)」と言ったおん方が誰であるかを悟るがよい。そして、もしも彼らが望むなら、神が預言者を通して、それらの出立が元に由来すると言われたとき、それらが生成したとか、作られたとか、あるいは創造されたとかは決して言われなかった、ということを聡明に検討するがよい。神の霊の内に神学的な考察を行なったバシレイオスも、「可知的な創造以前の、また代々を超えた、霊の数々のエネルゲイアは」生成したのではなく、「あった1)」と言っているのである。たしかに、ただ神だけが、永遠から働くおん方であり、全能なおん方なのである。と言うのは、神が、まさに代に先立つ諸デュナミスと諸エネルゲイアを持っておられるおん方だからである。

 

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