殉教者・聖パンフィロス

オリゲネスのための弁明書

ルフィヌスの序文


 

 おお、「諸々の憧れの男[1]」マカリウスよ、あなたは、真理を知りたいという愛に動かされて、真理を知ることの大きな喜びをもたらしてくれるに違いないとお思いになっていることを私に課しています。しかしながらそれは、オリゲネスに対して悪しき思いを抱かない人によって自分たちが侮辱されていると考える人たちの最大の憤りを私に対して引き起こすことを、私は疑いません。たとえあなたが、彼についての私の見解ではなく、聖なる殉教者パンフィロスの見解をお求めになっていたとしても、また、彼がオリゲネスのためにギリシア語で書いた本をあなたのためにラテン語に訳してもらいたいとあなたがお求めになっているとしても、私が彼のために何かを言おうものなら――あるいは私が別人の口を借りて言っても――彼のことで自分たちが侮辱されたと考える人たちが出てくることを、私は疑いません。

 しかし私は、彼らが予断や先入観に満ちた心で私に対して振る舞わないように切望します。むしろ、私たちは神の法廷にやがて出頭するのですから、彼らは、真実である事柄を知ることを避けるべきではありません――無知のまま過失を犯さないようにするために。誤った数々の中傷によって弱い兄弟たちの諸々の良心を傷つけることは、キリストにおいて罪を犯すことであると、彼らは考えるべきです[2]。ですから彼らは、中傷者たちに耳を貸すべきではなく、他の人の信仰を別人から学ぶべきではありません――何よりも、公に審議を受けるための十分な余地があるとともに、各人が何をどのように信じているかをみずからの口の告白で示すことができるというのに。それは、次のように書かれている通りです:「(それは)義のために心で信じられます。他方、告白は救いのために口で行われます[3]」、「各人は、各自の諸々の言葉から義とされ、各自の諸々の言葉から断罪されるでしょう[4]」。



[1] Dn.10,11.

[2] Cf.1Co.8,12.

[3] Rm.10,10;訳者(朱門)は直訳している。

[4] Cf.Mt.12,37.

 

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