116 オリゲネス:実際、聖霊は一人であるにもかかわらず、聖霊をみずからの中に持つ人たちが多いほど、その分だけ諸々の聖霊が一人ひとりを通して言われるのと同様に、キリストに関しても次のことが言われねばならない:一人のキリストから多くのキリストたちが生じる[1]。彼らについて次のことを、()文書は言っている:「あなた方は、私のキリストたちに触れることを欲してはならない。そして、私の預言者たちの中で邪悪になることを欲してはならない[2]」と。そのように、一人の神から多くの神々が言われる――すなわち、神がそれらの者たちの中に住んでいるところのすべての者たちが[3]。しかし、「私たちには、すべてのものが由来するところの父なる一人の神がいます[4]」。

したがって、「真の神は一人」である[5]。彼は、私に言わせれば神性の供給者である。そして、キリストたちの作者である一人のキリストがおり、一人の聖霊――彼は、聖なる人たちの一人ひとりの諸々の魂を通して聖霊を作る――がいる。しかしキリストは、(彼が)キリストであることを通して、キリストたちを作るように[6]、厳密に独り子である御子も、(彼が)神の子であることを通して、彼から養子採用の霊を受け取るすべての者たちを神の子らにする[7]



[1] Cf.C.Celsum, VI,79; Com.Jn.VI,42; De Princ.,II,6,6.

[2] Ps.104,15.

[3] Cf.Ep.2,22.

[4] 1Co.8,6.

[5] Cf.Mc.12,29; 1Co.8,6.

[6] Ps.104,15.

[7] Cf.Rm.8,15-16; Ep.1,5.

 

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