143 オリゲネス:最初にその身体が希望の中に安らいだところの主イエス・キリストが、それら(の言葉)を言っている。実際、彼は十字架に付けられ、そして、「死者たちの中から最初に生まれた方」になり[1]、そして、復活の後に、諸々の天の中へ摂取され[2]、ご自分と共に土地的な身体を運び上げた――諸々の天的な力が、肉が天の中へ昇るのを見て、驚かされ驚嘆するために。実際、エリヤに関して次のことが書かれている:「彼は、あたかも天の中へ摂取された[3];そして、エノクに関して、彼は運ばれた(ことが書かれている)[4]、しかし、彼が天の中にの昇ったと言われていない[5]。我々の話に興味を持つ人は、不快になるかもしれない。しかし私は、全き確信をもって次のことを主張する:キリストが「死者たちの中から最初に生まれた方[6]」であるのと同様に、彼は最初に肉を天へと運び上げたと。要するに、天的な諸々の力は、その新しさそれ自体によって驚愕した[7]。なぜなら彼らは、以前は決して見なかったが、今は肉が天の中に上るのを見ていたからである。そしてそれ故に(それらの力は)言う:「エドムから――すなわち、土地から生まれた者たちの中から――到来する者は誰か。彼の諸々の衣服の赤はボツラから[8]」と。実際(それらの力は)、彼の身体の中に、ボツラに由来する諸々の傷の諸々の痕跡[9]――すなわち肉の中で受けた諸々の(傷の)痕跡を見ていた。



[1] Col.1,18 et Ap.1,5.

[2] Cf.Mc.16,19; Lc.24,51; Ac.1,9.11.

[3] Cf.2R.2,11.

[4] Cf.Gn.5,24.

[5] Cf.Jn.3,13.

[6] Col.1,18 et Ap.1,5.

[7] Cf.Com.Mt.XVI,3 et Com.Jn.VI,288-292.

[8] Is.63,1.

[9] Cf.Is.34,6.

 

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