31 異端という名称は、私が把握できた限りで、コリントの人たちへ手紙の中でも、次のように示されている:「実際、確証されたも人たちが、あなた方の間に明らかにされるには、異端者たちが存在しなければなりません[1]」。さらに、ガラテヤの人たちへ(手紙では)、異端という名称が肉の諸々の業の中に登記されている。それは、(パウロが)次のように言っている通りである:「肉の諸々の業は明らかです。それは、姦淫、淫乱、わいせつ、数々の偶像礼拝、数々の魔術、数々の敵意、数々の争い、数々のそねみ、数々の怒り、数々の口論、数々の不和、数々の異端、数々の泥酔、数々の宴会、その他のそれらに類する者です。私がかつて宣べ伝えたように、私はあなた方に宣べ伝えます:それらを行う人たちは、神の国を所有しないでしょう」[2]

 それらのことを通して、我々は次のことを知る:諸々の可人や諸々の淫乱や諸々のわいせつや諸々の偶像の数々の崇拝によって汚れた人たちが神の国を所有しないように、異端に変節した者たちも、同様である。実に、これほど偉大な使徒のこれほど完璧な判断が、何らかの仕方で動揺すると考えられるべきではない。なぜなら彼は、キリストのすべての教会の使徒、しかも、「人からではなく、人によってでもなく、イエス・キリストと神なる父とによって[3]」選ばれた使徒だからである。したがって、彼の判断の権威に従って、彼が数え上げた他の諸々の悪と同様に、異端という名称も我々は避けなければならない。そして、そのような者たちとの祈りの交わりに加わってはならない[4]



[1] 1Co.11,19.

[2] Ga.5,19-21.

[3] Ga.1,1.

[4] 本節は、オリゲネスの『テトスへの手紙注解』からの抜粋である。

 

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