93 オリゲネス:さて、「真の神は唯一である[1]」;「彼のみが不死を持っており、近寄りがたい光に住んでいる[2]」とある。彼は、「真の神が言いつである」と言っている。それはすなわち、真の神という名前が多くのものたちに適合すると、我々が信じないようにするためである。したがって、「子らの養子採用の霊」を受け取る人たちも――彼らはその(霊の)中で「アッバ、父よと叫ぶ[3]」――たしかに神の子らであるが、独り子のようにではない。実際、独り子は本性において子であり、常にかつ不可分に子である。しかし他の者たちは、みずからの中に神の子を受け取ったことに応じて、「神の子らになる権能」を受け取った[4]。彼らは、「血からでもなかう、肉の意思からでもなく、男の意思からでもなく、神から生まれた[5]」が、一人が生またような誕生によって生まれなかった。それゆえ、真の神が、「あなた方は神々であると、私は言った」と言われる者たちに対して違いを持っているのと同じように、真の神は、「すべての者たちはいと高き方の子ら(である)[6]」と(いう言葉)を聞く者たちに対して違いを持っている。



[1] Cf.Mc.12,29; 12,32; 1Co.8,6.

[2] 1Tm.6,16.

[3] Rm.8,15.

[4] Cf.Jn.1,12.

[5] Jn.1,13.

[6] Ps.81,6.

 

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