99 オリゲネス:我々は次のことを知るべきである:言語を絶した秘密的で隠されたある諸々の事柄を通して、聖文書はある仕方でそれ自身のために道を作りつつ、人間たちに「蒸気[1]」という名前を導入することによって更に微妙な理解をも人間たちに暗示することに努めている:すなわち(聖文書は)その名前を諸々の身体的な事柄から採用したが、その目的は、我々がある部分(的側面)から次のことを理解できるようになるためである:すなわち、知恵であるキリストは[2]、ある身体的な実在から発出する蒸気との類似に即して、彼自身もある「蒸気」のように、「神ご自身の力から[3]」生じ出る(と言うことを理解できるようになるためである)。それから発出する知恵も神の実体そのものから生まれるのと同じように、それにまったく劣らず、身体的なアッポロイアの類似に即しても、それは「全能者の栄光の純粋で無傷のアッポロイア[4]」であると言われている。それら二つの類似は極めて明白に、御子には御父との実体の共有があることを明示している:アッポロイアは、ホモウーシオスであるように見える。すなわち、(身体的な)アッポロイアあるいは蒸気が、それの由来する身体と一つの実体に属している(ように)[5]



[1] Sg.7,25.

[2] Cf.1Co.1,24.

[3] Sg.7,25.

[4] Sg.7,25.

[5] 省略

 

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