後書き

 

このささやかな研究の果てに、カッシアヌスは、ドミニコに、救いの道、霊的生活の道、全人類への愛の道を教えた霊的指導者として現れる。おそらくここで、ドミニコが、カッシアヌスの学び舎に身を置くことによって、東方のギリシャ教父たちと霊的指導者たちの学び舎に身を置いていたことを思い起こす必要があるだろう。実際カッシアヌスは、プロヴァンスの修道士たちに、彼らの霊的教説を、みんなにわかりやすい単純な仕方で、総合して伝えようと図っていたのである。

すべての魂の救いのために全力を尽くして働くというドミニコに固有のカリスマが芽生えたのは、まさにこのような霊的土壌のなかであった。