前書き

 

本研究を正確に位置付けるには、若干の説明が有益である。

説教者会の創立者ドミニコ(1170-1221)は、カスティリヤ地方に位置するカレルエガで生まれた。パレンシアの大学で修学した後、オスマの司教座聖堂参事会に入会し、そこで司祭の養成を受けた。

ジョルダノ・ド・サクスは、修道会長ドミニコの直接の後継者であるとともに、ドミニコの最初の伝記作家であった。彼は、「説教者会創立史小著」(Libellus de principiis Ordinis Praedicatorum)を書き残している。

カッシアヌスは、365年頃、おそらくスキティア(現ルーマニアのドブルチュカ)で生まれ、かなり若くして修道生活への召し出しを受けた。彼は先ずパレスチナに行き、次いでエジプトへ向かい、そこで極めて有名な隠修士たちに出会い、「霊的軍団を組織した」。後にコンスタンティノープルで、聖ヨハネ・クリュソストモスによって助祭に叙階された。十年ほどローマで過ごした後、415年頃マルセイユに赴いた。その地で彼は、東方の修道士たちのもとで得た自らの経験によって、修道生活に対して大きな影響を及ぼすことになった。426年頃彼は、「共住修道会則」(Institutions cénobiques)と「先人たちの諸講義」(Conferences aux anciens ou Collationes)を著した。それらは本論において広く引用される。これらの原典は、「キリスト教古典体系」に収録され刊行されている。すなわちSources chrétiennes (Editions du Cerf), No 42 (Conférences I-VII), 54 (Conf.VIII-XVII), 64 (Conf.XVIII-XXIV), 109 (Instit.)である。

次へ