19 「実に、既にどこかで、陰謀を企てられ(それを)予感した人間が、陰謀を企てる人たちに(そのことを)予言したなら、その人たちは翻って警戒するだろう」という言葉も、皮相的である。なぜなら多くの人たちは、陰謀を企てられた者たちが(それを)予知しても、その者たちに陰謀を企てたからである。続けて彼は、話に結論を付けるかのように言う:「したがって、それらの事柄が予言されたから、それらは起こったのではない。それは不可能である。むしろ、それらが起こったからこそ、(彼が)予言したということは虚偽として反証される。なぜなら、予め聞いた者たちがなおも裏切り、拒むことはまったく不可能だからである」と。前に言われた諸々の事柄が覆されるとともに、「それらの事柄は、予言されたので、起こったのではない」という結論も同時に覆された。我々は次のように主張する:(それらの事柄)は、可能なこととして、まさに起こった;そして、起こったがゆえに、彼が予言したことは真実であることが示される;なぜなら、来るべき諸々の事柄に関する真実は、諸々の出来事から判断されるからである。したがって、彼によって次のように言われたこと、すなわち、「(彼が)予言したということは虚偽として反証される」ということは虚偽である。そして、「予め聞いた者たちがなおも裏切り、拒むことはまったく不可能である」という言葉は、ケルソスによって空しく言われた。

 

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