その骨を折ってはならない

26  さて、「その骨は折られてはならない[1]」ということについては、聖ヨハネが、それはまさに身体的な意味で[文字どおりに]遵守されたと述べております。「そのおん方の脚は折られなかった[2]」とあります。しかしそれには、霊的な解釈もあるのであります。すなわち、そのおん方の内にある堅固さはゆるぎないものでありつづけ、それゆえ、腐敗はそのおん身体には及びませんでした。なぜならそのおん身体は、堅固で粉砕できない土台を有していたからであります。そのおん身体は、肉的にではなく神的に形成され、神的な誕生を有しておりましたから、人間たちの腐敗に服することがなかったのであります。「そのお方の肉は腐敗を知らない[3]」と言われております。



[1] Ex.12,46.

[2] Jn.19,33.

[3] Ac.2,31;cf.Ps.16,10.