栄光ある墓所13
ああ・・・、一体天はどうやって、もろもろの天よりも広大だといわれる乙女を受け容れたのでありましょうか。ああっ!
これは一体どういうことでありましょう!
一体どうやってこの墓所は、神さまのご容器[1]を内に納めたのでありましょうか!
はい! 内に納めたのであります。はい!
受け容れたのであります。 なぜなら神のおん母は、身体の大きさの点で、天よりも広大だったわけではないからであります。実際、この三腕尺[2]ほどの大きさで、しかも(年とともに)絶えず小さくなっていくこの身体を、一体どうやって天の広さや深さと比べることができるでありましょうか!
できるわけがございません。むしろそのおん身体は、その恵みにおいて、高さと深さのいっさいの尺度を超えていたのです。神的なものは、(なにか他のものと)比較できるようなものではございません!
ああ! なんと荘厳で、なんと丁重に、尊ぶべきお墓でありましょう!
このお墓をいまでも天使たちは取り囲み、恭しくそして恐れおおい畏敬の念をもって、周囲に立ち控えているのであります。悪霊どもは畏れ戦いております。人間たちは、信心深くこの墓所に馳せ参じ、これを敬い尊び、両の眼差しと唇で、そして心からの愛惜の念をもって、別れの挨拶を申し上げております。と同時に人間たちは、滔々と涌き上がる豊かな善(の水)を汲み出すのです。
たしかに、高価な香油を衣服に振りかけ、それからその香油を取り去っても、かぐわしい香油の名残りは、なおその衣服に残っているものであります。それと同じように、この神的なおん身体は、神聖にして汚れのまったくないおん身体は! あの神的な芳香にみたてられたおん身体は! 恵みの源であるおん身体は! このお墓のなかに置かれ、それから、いっそう高くいっそう優れた場所へと移されはしましたが、このお墓になんの面目も施さずに打ち捨てたりはしなかったのであります! このお墓はいまでも、神的な芳香と恵みとを周囲に分け放っているのです! あの神聖なおん身体は、このお墓に信心深く近寄る者たちに、かずかずの癒しとあらゆるの善の源と[3]を残していかれたのであります[4]!
[1]
to.
tou/ Qeou/ docei/on
[2]
to.
tri,phcu
[3]
phgh.
tw/n ivama,twn kai. pa,ntwn tw/n avgaqw/n
[4]
信者を惹きつける墓所を前にして、説教者は、祝福の源である乙女の亡骸に敬意を表明する。説教者は香油との比較によって、受肉の永続的な結果としてマリアに与えられた癒やしの力の永続性を強調している。