ご托身とご誕生8
「ああ・・・! 神の富と知恵と知識の深さよ!」
わたくしも使徒に口をぴたりと合わせて、こう申し上げたいと存じます!
「ああ、神のもろもろのご決定はなんと探りがたく、神さまのもろもろの道はなんと窮めがたいことでありましょう[1]」! おお・・・!
神さまの畏れおおくも近寄りがたい慈しみ[2]!
ああ・・・! 詮索を(まったく)受けつけない愛よ!
「もろもろの存在しないものを呼び出して存在するものとなさるおん方[3]」が、「天と地とを充満しながら[4]」、天をその玉座とし、「地をその足台とする[5]」おん方が、ご自分のはしための母胎を広々としたお住いにしたのです。そしてその母胎のなかで、あらゆる神秘のなかでももっとも奇異な神秘を成し遂げられたのであります。神であるおん方が、神であるにもかかわらず、人間となられたのです[6]。ご懐妊のときにおよんで超自然的に[7]生まれ、母親の胎を開かれましたが、乙女の封印[8]を損なうことがなかったのです。そして塵からできた(マリアさまの)両のおん腕のなかで、(小さな)乳飲み子として抱きかかえられたのであります!
あの栄光の輝きが!
すべてのものをご自分のお口から発するお言葉でお支えになる[9]、あのおん父のヒュポスタシスの刻印[10]であるお方が!
おお! 本当に神的なかずかずの奇跡よ! ああ・・・、概念と自然とを超えるかずかずの神秘よ[11]! おお・・・! 人間を超える、乙女のかずかずの誇り! ああ! 神聖なお母さん! 神聖なる乙女よ! あなたを巡るこの神秘は、一体なんなのでありましょう! 「おん身は女のうちにて祝せられ、ご胎内のおん子も祝せられ給う」! あなたさまは、後の代の人々のあいだで、幸いな者と呼ばれているのであります! あなたさまただおひとりだけが、幸いに値するのです! ご覧ください! あなたさまがおっしゃったように、こうやって後の代のすべての人々が、こぞってあなたさまを祝福申し上げているのですよ! エルサレムの娘たち、すなわち、教会の娘たちは、あなたさまを仰ぎ見て、あなたさまを祝福申し上げているのです! そして王妃たち、言い換えますと、正しい人々のもろもろの魂は、さらに末代までもとこしえにあなたさまを、賛美し申し上げることでありましょう[12]!
[1]
Rm.11,33.
[2]
:W
avplh,stou avgaqo,thtoj Qeou/
[3]
Rm.4,17.
[4]
Jr.23,24.
[5]
Is.66,1.
[6]
Qeo.j
ga.r w;n( a;nqrwpoj gi,netai
[7]
u`perfuw/j
[8]
ta.
klei/qra th/j parqeni,aj
[9]
Cf.He.1,3.
[10]
o`
carakth,r
th/j tou/ Patro.j u`posta,sewj
[11]
w;
musthri,wn tw/n u`pe.r fu,sin kai. e;nnoian
[12]
Cf.Ct.6,9;Pr.31,28.