墓地17
そしてあなたは!
ああ・・・!
かずかずの神聖な墓地のなかでも最も神聖なお墓よ!
生命の元であり復活の源となった主のお墓に次いで[1]、最も神聖なお墓よ!
私はあなたに、あなたがまるで生きているかのように話し掛けます。使徒たちの手があなたの中に宝物のように蓄えた純粋な黄金はどこへ行ってしまったのですか?
尽きることのない財宝はどこへ行ってしまったのですか?
神を受け容れた宝石はどこにあるのですか?生ける食卓はどこにあるのですか?
神であるみ言葉が言語を絶した仕方で(人の)手の助けも借りずに書き込まれた新しい巻き物は、いったいどこに行ったのですか?
恵みの深淵は[2]どこへ行ったのですか?
かずかずの癒しの大海はどこにあるのですか?生命を産んだ泉はどこにあるのですか?
とても願わしく愛らしい神のおん母のお身体はどこに行ってしまったのですか?
なぜあなたがたは、天のもろもろの幕屋に上げられていったお方を、墓地のなかに探すのですか?
なぜあなたがたはこのわたくしに、この喪失の釈明を求めるのですか?
神さまの定めたことに逆らうなど、わたくしのできることではございません。この神聖で聖なるおん身体は、白布を後に残し[3]、上に引き上げられていきました。しかしこのおん身体は、このわたくしに聖化(の恵み)を分け与え、芳香とかぐわしい香りで(わたしを)満たし、(このわたくしを)神的な社に仕立て上げてくださったのであります。この神聖で聖なるおん身体は、天使たち、大天使たち、そして天のすべての霊的存在者たちに伴われながら、上へと引き上げられていきました。いまや、もろもろの天使たちは、このわたくしを守護してくださっています。いまや、神的な恵みがこのわたくしのなかに宿っているのです!
このわたくしは、病める者たちのために痛みを消し去る施薬院となったのです!
わたくしは、枯渇することのなく流れ出るかずかずの癒しの泉となったのです!
わたくしは、もろもろの悪霊どもを撃退する障壁となったのです!
わたくしは、避難する人たちのための逃れの町となったのです[4]!
もろもろの民のみなさん!信仰をもって近づいてください!
そして川のように滔々と流れるかずかずのお恵みを
み取ってください!
純真な信仰を持ちながら[5]進みでてください!
「渇いている者たちよ、水のあるところに来なさい」!
「そしてお金のない者たちはだれでも、来て、ただで買いなさい![6]」と、イザヤは促しています。もろもろの病の癒し、魂の諸情念からの解放、もろもろの罪の赦し、あらゆる種類の災難からの離脱を渇望する人、もろもろの天の国での休息を渇望する人は、わたしのところに信仰をもって近づきなさい!
そしてとても効果があってとても有益な恵みの流水を汲み出しなさい。なぜなら、水の働きが、大地や空気や輝く太陽の働きと同じく、単純で一つのものでありながら、それに与る者たち一人ひとりの本性に応じて、さまざまな仕方でそれ相応に変化し、たとえばブドウの場合にはぶどう酒、オリーブの場合はオリーブ油となるように、(神さまの)お恵みもまた、単純で唯一のものでありながら、一人ひとりの必要に応じて多種多様な仕方で、参与する人たちに働きかけるからであります[7]。もちろんわたくしは、わたくし自身の本性によってこのようなお恵みを得たのではございません[8]。
お墓というものはどれも、悪臭に満ち、目を背けさせるものであり、歓喜の敵でありましょう。しかしわたくしは高価な香水をいただいたのです。わたくしはゆかしい香りに与ったのです。それも本当によい香りがし、この上もなく効き目のある香水をいただいたのです。それは、かすかに触れるだけで不滅の参与を与えてくれるようなすばらしい香水であります。そうです!「神さまの賜物は、本当に悔いなく撤回されないものなのです[9]」! わたくしは歓喜の泉をいただき、その尽きることのない(恵みの)噴出で豊かにされたのであります!
[1]
meta,
ge to.n zwarciko.n tou/ Destpo,tou ta,fon( o]j phgh. u`ph/rxe th/j
avnasta,sewj
[2]
h`
th/j
ca,ritoj
a;bussoj
[3]
ta.j
sindo,naj katalipo.n;
共観福音書は、イエズスが包まれていた屍衣を、sindw,nで表している。Mt.27,59;Mc.15,46;Lc.23,53を参照せよ。
[4]
Cf.Ex.21,13-14
et Nb.35,9-34.
[5]
Cf.Jc.1,6.
[6]
Is.55,1.
[7]
{Wsper
ga.r tou/ u[datoj h` evne,rgeia a`plh/ kai. mi,a tugca,nousa( w`j de. gh/j
kai. ave,roj kai. tou. pamfaou/j h`li,ou( e`ka,stw| tw/n meto,cwn deafo,rwj
pro.j to. kata,llhlon th/j fu,sewj metaba,lletai( kai. gi,netai evn avmpe,lw|
me.n oi=noj( evn evlaia| de. e;laion~ ou[tw kai. h` ca,rij( a`plh/ kai. mi,a
tugca,nousa( poiki,lwj kai. avnalo,gwj pro.j th.n e`ka,stou crei,an
euvergetei/ tou.j mete,contaj;
恵みの働きの多様性は、『ペテロ第一の手紙』4,10で表現されている。すなわち;
poiki,lhj
ca,ritoj
Qeou/.同様に、聖パウロも、神の知恵は無限に豊かであると言って(polupoi,kiloj,
Ep.3,10)、試練の内にある信徒たちを励ましている。
[8]
Ou,k
evx oivkei,aj th.n ca,rin ke,kthmai fu,sewj)
[9]
avmetame,lhta
ga.r o;ntwj ta. qei/a cari,smata;
Rm.11,29.