個人的感慨5
しかし・・・、みなさん!・・・、話がここまで来ましたところで、まことに恐縮でありますが・・・、ここで、わたくしの個人的な感慨を述べさせていただきたい。わたくしは、熱く燃え盛る炎のような愛惜の松明に炙られ、焼かれています。わたくしは、なんとも知れぬ戦慄と感激の涙に襲われているのです! わたくしはまるで、あの寝台そのものを抱きしめているかのようなのであります! わたくしは、あの幸いにして愛すべき寝台を! かずかずの不思議に満ちた寝台を! 生命の元であるあの幕屋を受け容れた寝台を! ご懐妊によって聖化に参与したあの寝台を! そしてわたくしは! 神聖にしていや、それ以上にまったく神聖なあの幕屋を! しかも、神さまにふさわしいあの幕屋そのものを! わたくしはこの両手でしかと抱え込んだかのようなのであります! わたくしは、この両目と両の唇を、このおでこと喉、このほっぺたを、あの寝台のあちこちに押し当ててみたのです。するとどうでありましょう! まるで(あの乙女の)お身体が目の前にあって、それに直に触れているような感触があったではございませんかあ! とはいえいくら思いを馳せても、あの恋い焦がれているものを、この両目で見ることなどできるものではなかったのです。実際、一体どうやって、天の聖所へと空高く引き上げられていったものを見ることができるのでありましょう。まあ、このような感慨を、わたくしは抱いたのであります。