祈願の結び

 

  だいたい以上のようなことを、使徒たちは、教会に充満する全会衆とともに、祝福された乙女に申し上げたようにわたくしには思われます。かれらは、神のおん母が(この世からの)出立をぐご様子を目にしたので、神的な恵みに満たされ、聖霊に(自分たちの)口を貸し与えながら、ご出立の讃歌に取りかかったのです[1]。このときかれらは、(自分たちの)肉体から出て、ご出立なさる神のおん母とともに(この世を)去ろうと望み、自分たちの気力の限りを尽くして(この世からの)出立を先取りしようとしたのであります[2]。そしてかれらはみな、望みと義務を同時に満たし、神聖なる讃美歌という色取り取りのやかなり上げて、神さまからった宝物と言ってよいような祝福を与えられました。かれらは、(マリアさまのご他界に関する)最後の葬送の辞[3]をお捧げしたのです。これらの言葉は、わたくしの知る限り、現世の生活の移ろいやすさやさを告げ知らせ、かずかずの来るべき善いことの隠された諸神秘を明るみに出すものでありました。



[1] pro.j u[mnouj evkdhmi,ouj evtre,ponto

[2] kai. sarko.j evxista,menoi kai. sunekdhmei/n evkdhmou,sh| tou/ Qeou/ th/| mhtri. evfie,menoi kai. proekdhmou/ntej w`j oi-on te tw/| to,nw| th\/j proaire,sewj; sunekdhmei/n evkdhmou,shという語は、聖パウロが地上の住処から離れたいという願望を述べる箇所を想起させる。Cf.2 Co.5,1-8.

[3] evxith,ria, te kai. teleutai/a r`h,mata