このような齟齬の原因を私は、パンフィロスがオリゲネス自身の諸著作のために書いた『(オリゲネス)擁護論[1](の翻訳)の中で、あなたに詳細に明らかにしました。すなわち私は、小冊子をそれに付け、その中で、明瞭であると私に思われる数々の証拠を挙げて、オリゲネスの諸著作が非常に多くの箇所で、異端者たちや悪意ある人たちによって改竄されていることを示しました[2]。それは特に、あなたが今、翻訳するように私に求めている諸著作、すなわち、PERI ARCWN――これは、諸原理について(De Principiis)とか、諸主権について(De Principatibus)と言い換えることができます――に関して言えます。実際この諸著作は、さまざまな点で、極めて不明瞭で極めて難解なものです。なぜならオリゲネスは、その中で、哲学者たちがその全生涯を費やしても何も見出すことのできなかった数々の事柄を検討しているからです。私たちの人(オリゲネス)は、彼らが不敬虔なものにした創造主の信仰と諸々の被造物の理拠を敬虔なものに変えようと、尽力しました。ですから私たちが、彼の諸著作のどこかに、他の諸々の箇所で彼によって三位一体性について敬虔に述べられていることと矛盾する事柄を見出した場合には、改竄された異物としてこれを飛ばし、あるいは、彼によってしばしば主張されている(信仰の)規則に従って訳出しました。また彼が、すでに(キリスト教の)手ほどきを受け知っている人たちに語るかのように、簡潔に済ませようと望んで曖昧に表明した場合には、その箇所がより明白になるように、私は、同じ事柄について彼の他の諸著作の中に明瞭に読み取った諸々の事柄を、説明のつもりで付け加えました。しかしながら私は、私自身に由来することを何も述べませんでした。私は、(オリゲネスによって)他の諸箇所で述べられていることだとはいえ、彼自身に由来することだけを表明しました。



[1] 目下、鋭意、翻訳中である。

[2] キリスト教の主流派となりつつあった原始カトリック教会に対抗するために、キリスト教グノーシス派(反主流派)は、古来のキリスト教伝承(口伝文書)をみずから正しいとする信仰や思想に従って「編集」したことが知られている。

 

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