聖ドミニコの手紙(一)

説教者たちの指導者、托鉢者ドミニコから、マドリッドにある敬愛する女子修道院院長様および修道女の皆さまへ。

あなた方の聖なる生活の故に、そして神があなた方をこの世の腐敗から解放してくださったが故に、わたくしは大いに喜び、神に感謝しております。娘たちよ、粘り強い断食によって、太古の悪霊に立ち向かいなさい。なぜなら戒律に従って努力する者だけが、栄冠を受けるからです。もしもあなた方が現在に至るまで、修道生活を送るべき場所を持たなかったとすれば、あなた方に弁解の余地はありません。なぜなら神の恵みによって、あなた方は修道生活を送るのに充分適した建物を得ているからです。わたくしは今から、禁域で、食堂で、寝室で、礼拝堂で、沈黙が守れら得ることを望みます。そしてあなた方の戒律がその他すべての事柄において守られることを望みます。説教のため、あるいは視察のために来られる司教やその他の高位聖職者を除いて、誰も門を出入りしてはなりません。苦行や徹夜を免れることはできません。あなた方の修道院長に従順でありなさい。お互いに駄弁を慎みなさい。あなた方の時間を会話に費やしてはなりません。

わたくしは、俗事に関してあなた方を助けることはできませんから、志願者を受け入れる権限をいかなる托鉢者たちにも与えたくありません。ただ修道院長が、彼女の共同体の顧問会に諮った上で決めてください。またわたくしは、托鉢者マンネス(Mannes)に命じて――彼は、これまで非常に熱心に働き、あなた方をこの祝福された状態に結び付けてくれました――、あなた方がもっとも修道的で、もっとも聖なる生活を送ることができるように、万事を彼のよしとするままに整え、処置するように命じました。さらにわたくしは、視察し、矯正し、修道女たちの過半数の同意を得た上で、(必要とあらば)修道院長を更迭する権限を彼に与えました。そしてわたくしは、彼が適切と判断する場合には、幾つかの事柄において免除を与える許可を彼に与えました。

キリストにおいてご機嫌よう。

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