第2章
神のエネルゲイア
前章では、神認識の問いが、オリゲネスのそれについての考え方の中で、二つにまとめられると私は述べた。すなわち、
第一の問いは、
「神の本性はいかにして認識され得るのか」。
第二の問いは、
「神についてのある種の認識はいかにして得られるのか」。
あるいは、
「神の何がしかはいかにして認識され得るのか」。
であった。
既に前章で指摘したように、オリゲネスは、神の本性は、有限な人間には、未だ認識され得ないとしても、神の「何がしか」の認識は可能であると考えているのであるから、以下では先ず、私たちの考察の焦点を、もっぱら神認識の第二の問いに合わせ、オリゲネスが、何ゆえに、そしていかにして、神の「何がしか」の認識が可能であると考えるのか、そしてその「何がしか」を、具体的には何であると考えているのか、それら2点を彼の思想の中に探り、その第2の問いに、オリゲネス自身の考え方と言葉とを用いて、答えていくことにしよう。