４ ｢ヨセフは死んだ。そして彼の兄弟たちも、その一切の世代も(死んだ)。しかし、イスラエルの子らは繁殖し、数多くされ、大きな多数の中で拡散され、甚だしく強大になった。なぜなら土地が彼らを数多くしたからである[1]｣。
ヨセフが生きている間は、イスラエルの子らは数多くされたとは報告されていません。また、彼らの中で諸々の増加と多数性に関してまったく何も言及されていません。私の主イエス・キリストの諸々の言葉を信じる私は、律法と諸々の預言の中で、｢一点一画｣も諸々の神秘に欠けているとは考えませんし、｢すべての諸々の事柄が成るまでは、それらの何かが過ぎ去り得る｣とも考えていません[2]。しかしながら、私たちは貧弱な受容力に属していますから、目下のところ、私たちがより確実に近づく諸々の事柄だけを打ち出すことにしましょう。
私たちのヨセフ――彼の兄弟たちの一人ユダによって｢三十枚の銀貨[3]｣で引き離されたヨセフ――が死ぬ前は、イスラエルの子らは、甚だしく僅かでした。しかし彼が、すべてのもののために死――彼はその死を通して、｢死の支配権を持っていた者、すなわち、悪魔を破壊しました[4]｣――を味わったとき、信者たちの民が数多くされました。｢そして、イスラエルの子らは拡散され、土地は彼らを数多くし、度を超えて甚だしく繁殖しました[5]｣。実際、(主)ご自身が言ったように、｢穀物の粒が土地の中に落ちて死ななかったら[6]｣、確かに全地の教会はこの膨大な実りをもたらさなかった。ですから、粒が土地の中に落ちて死んだ後で、その粒から、信者たちの一切の穀物が発芽しました。そして、｢イスラエルの子らは、数多くされ、甚だしく強大になりました｣。実際、使徒の｢音声は一切の土地の中に出て行きました｣。そして、｢彼らの諸々の声は、全地の諸々の果ての中に出て行きました[7]｣。そして彼らを通して、(聖文書に)書かれているように、｢神の言葉は繁殖し、数多くされました[8]｣。それらの事柄が、神秘的知解に属する限りのものです。
しかし私たちは、それらの箇所の中で、道徳的な話題も省略すべきではありません。なぜならそれは、聞き手の人たちの諸々の魂を建徳するからです。ですから、あなたの中でも、もしもヨセフが死ぬなら、すなわち、もしもあなたが、あなたの｢身体の中でキリストの死化[9]｣を受け入れ、あなたの諸々の肢体を罪に対して死なすなら、そのとき、あなたの中でイスラエルの子らが数多くされるでしょう。｢イスラエルの子ら｣は、諸々の善い霊的感覚として受け取られます。ですから、もしも肉の諸感覚が死なされるなら、霊的な感覚が成長します。そして毎日あなたの中で諸々の悪徳が死に去ることによって、諸々の徳の数が増やされます。そればかりか、身体の役務を通して奉仕される諸々の善き業の中で、｢土地も、あなたを数多くします｣。しかしながら、｢土地が数多くした｣人が誰であるかを、諸々の(聖)文書から私があなたに明示することを、もしもあなたが望むなら、使徒パウロが次のことをどのように言っているを、あなたは凝視してください：｢しかし、もしも肉の中で生きることが、それが私にとって業の実りであるなら、実に何を選び出すべきか、私には分かりません。実際、私は二つのことから圧迫されています：死滅してキリストと共にいたいという欲を持っており、実にその方が遥かに善いことです；他方で、肉の中に留まることは、あなた方のためにむしろ必要です[10]｣。あなたは、どのようにしてこの人を土地が数多くするかご覧ください。実に彼が土地の中に、すなわち、肉の中に留まる限り、彼は諸教会を創設することによって数多くされます；神のために民を獲得することによって、｢エルサレムから始まり、巡りめぐってイリリアに至るまで、神の福音を宣べ伝えることによって[11]｣数多くされます。しかし私たちは、引き続く諸々の箇所中で何が加えられているか見ましょう。