C 責任論

サルトルは普遍妥当的な価値観の存在を認めない。したがって彼の考えは、極端な個人主義、主観主義になり得る。

それぞれの人間の誠実な自問自答の末に行われた人間の行為は、どんなものであれ、それなりに道徳的な価値を持つことになる。

こうした極端な道徳的個人主義がサルトルの思想には見られる。こういう難点がサルトルにはある。そこでサルトルは、道徳的個人主義を緩和しようとした ⇒ 責任論

人間は、自由に自分のあり方を選び、それを実行しなければならない。そしてそのとき人は、自分のあり方に責任を持たねばならない。しかしサルトルに言わせると、この場合の責任には、二つの意味があるという。

一)自分に対しての責任

二)全人類に対する責任

  簡単に言えば、これが道徳的個人主義を緩和しようとするサルトルの責任論である。

 

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