平均化の時代

Jaspers, Die geistige Situation der Zeit, 1931

『現代の思想的状況』・・・実存哲学を考える上で重要である。曰く:

「高度の機械化された社会は、人間を機械的に扱う。また人間社会は、組織化され合理化される。そして人間は、機械の奴隷になっていく。つまり逆転が起こるのである。人間が作り出した手段である組織に、逆に人間が使われる。そのために人間は、個性や自主性を失ってしまい、平均化される。ところが実存哲学は、主体的、個性的な人間というものを重んじなければならないと考える。つまり実存哲学は、時代批判という傾向を持つ。これはすべての実存哲学者に共通である」。

 

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