哲学の任務(前置き)

ハイデガーの全般的な考え方を考えてみようと思うのだが、ハイデガーは、その考えの全般的なことをはっきり述べていない。

人間は、普段、日常の仕事に追われている。そのため人間は、人間の本来的なあり方を忘れている。

ハイデガーに言わせれば、平均的な生き方が一般的、世間的なものと考えられている。したがって哲学は、日常性から自分を解き放つことである。

日常的なものは、一般的、世間的なものによって規定されている。したがってそういう日常性から解放されることは、おのれ一人としての自己に帰るということになる。そしてみずからの手で、自分の生き方・あり方を決定することになる。

こう考えてみると、哲学とは、単なる知的理論(テオーリア)ではない。そうではなく、哲学は、実践(プラークシス)の問題なのである。

したがって哲学をするということは、自分のあり方に対する一つの変革を必然的に伴う。日常的なことから離れ、本来的なものに近づくのである。

 

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