７　｢もろもろの天が開かれました[1]｣。一つの天が開かれるだけでは十分ではありません。複数の天が開かれたのです。それは、幾多の天使たちが、一つの天からではなく、すべての天から、救いを必要とする人たちのもとに降りていくためなのです。天使たちは、人の子の上を昇り降りしたり[2]、彼に近づいて、彼に仕えていました[3]。しかし天使たちは降りてきました。それは、キリストが先ず降りて来られたからです。彼らは、万物と｢すべての霊的存在者の主[4]｣が命令を下す前に、降ることを恐れておりました。ところが天使たちは、｢天の軍勢[5]｣の長が地上に留まっておられるのを見ると、自分たちの主に従いながら、(彼らに対して)開かれた道を進軍し、ご自分のみ名を信じる人たちの守護者として彼らを配属されるおん方のご意思に従いました。あなたは、昨日、悪霊の下にありましたが、今日は、天使の下にあるのです。主は、教会のなかにいる｢これらのもっとも小さな者一人をも、軽んじないように[6]｣と言われております。｢私は、あなたたちによく言っておく。これらの者の天使たちは、天におられるおん父のみ顔をいつも見ている[7]｣。天使たちは、あなたの救いに関わり、神の子の奉仕の業に追従し、互いに呼ばわるのです。

そのおん方がお降りになり、身体のなかに降りていかれたのなら、そして死すべき肉を身にまとい、十字架を忍び、人間たちのために死なれたのであれば、どうしてわれわれは安穏としておられよう。どうして我が身をかばっておられよう。さあ、われわれ天使たちもみな、天を降りよう！、と。

このようなわけで、キリストがお生まれになったとき、｢神を誉めたたえ、神に栄光を帰す天の軍勢[8]｣が多かったのです。すべてのものは、天使たちでいっぱいです。天使よ、来てください！ み言葉のおかげで、以前の罪から、悪霊どもの教えから、｢声を高く上げる不正[9]｣から立ち返った者を受け入れてください。慈しみ深い医者のように[10]、彼を受け入れ、励まし、教化してください。彼は子どもであり[11]、今日、生まれたばかりなのです。彼は、年を取っていながら再び子どもになったのです。彼を受け入れ、彼に｢第二の再生の洗礼[12]｣を授けてください。そしてあなたの奉仕の業の協力者を招き、彼らと一丸となって、かつて欺かれた者たちを信仰へと教え導いてください。｢悔い改めを必要としない九十九人の正しい人に対してよりも、悔い改める一人の人に対しての方が、もろもろの天においてより大きな喜びがある[13]｣のであります。造られたすべてのものは喜び踊り、救われるべき人びとのために共に喜び、歓声を上げるのです[14]。｢造られたものは、神の子らの現れるのを、切なる思いで待ち焦がれているのです[15]｣。たとい、使徒の書き物を改竄した者たちが、自分たちの書物のなかにこの種の、キリストを造り主として承認し得る言葉が介在するのを望まないとしても、それでも、造られたすべてのものは、神の子らを待ち望んでいるのです。なぜなら、そのときすべてのものは、罪から解放されるからです。そのときすべてのものは、サタンの手から[16]解き放たれるからです。なぜならそのときすべてのものは、キリストによって再生されるからであります。しかし、もう、目下の(聖書の)箇所について若干言及する時間が来てしまいました。預言者(エゼキエル)は一つの幻を見たのではありません。神のもろもろの幻を見ました[17]。なぜ預言者は、一つの幻ではなくて、複数の幻を見たのでしょうか。主が約束して言われるみ言葉をお聞きください。｢私は幻の数を増した[18]｣と。

次へ