５ 続いて、(預言者は)罪人たちがどのようなことを苦しむかを語り、その後で、望ましいことに言及して、こう言っています。｢私は、杉の選り抜きの枝から取り、それらの枝の根もとからもっとも高い枝を取り、それを高い山に植える[1]｣。上で私が述べた呪いの後で、今度は、至福ともっとも甘美な希望の約束が言葉の最後にもたらされます。なぜなら責め苦の数々を必要としていた人たちは、各自の罪に応じた苦しみを既に受けたからです。ところで私自身で深く内省し、この個所の意味を注意深く検討してみると、この個所は使徒たちについて預言していると、私は考えます。たしかに使徒たちは、杉の選り抜きの枝から、最も高いところから、梢からとられたもので[2]、神は彼らを代の芳香として与え、｢彼らの心を磨き、彼らをいと高き山｣すなわち｢私たちの主・イエス・キリスト｣の内に｢植え込まれた｣のです。｢そして私は、それをイスラエルの高い山に掲げ、そして植える。それは、若芽を生じ、実を結ぶであろう[3]｣とあります。彼ら使徒たちは、数々の若枝を生じさせ、数々の実をもたらしました。｢そしてそれは、偉大な杉となるであろう[4]｣とあります。あなたは、キリストの教会の大きさと崇高さをお考え下さい。そうすればあなたは、次のように言われたことが神の約束どおり実現したことを理解するでしょう。こう言われています。｢そしてそれは、偉大な杉となるであろう。そしてすべての鳥がその木の下に安らい、翼あるすべてのものがその影に安らうだろう｣と。あなたが、神のみ言葉の翼を取るなら[5]、あなたは、いと高き山に植えられた木の下で休むことができるでしょう。｢そして(すべての鳥は)安らい、その数々の若枝が回復される[6]｣とあります。どれほど良い意味で預言が終わっているか、あなたはご覧ください。実際、こう続いています。｢そして野のすべての木は、高い木を低めるのは、主なる私であることを知るようになる[7]｣とあります。高い木とは、ユダヤの民のことです。ユダヤの民は、今は低められて、みずからの罪の罰を受けています。なぜなら彼らは、私たちの主イエズス・キリストに敢えて手を出したからです。｢そして(主なる私は)低い木を高められた[8]｣とあります。あなたは、(かつて)低い木、投げ捨てられた木、大地にへばり付いていた木でしたが、しかし神はあなたを高められました。｢そして(主なる私は)緑の木を乾燥させる[9]｣とあります。緑の木とは、割礼の民のことです。彼らは、かつては(多くの)芽を出し、花を咲かせていましたが、今では乾燥によってはなはだしく衰えています。実際、彼らのどこに生命に満ちたみ言葉があるのでしょうか。どこに一群の徳があるのでしょうか。｢そして私は、干からびた木を再び緑にする[10]｣とあります。あなたは、干からびた木でした。そしてキリストの到来が、あなたを再び緑にしました。｢主なる私が語ったのだ。そして私は行う[11]｣とあります。これらの言葉が語られた目的は、私たちも再び緑になり、諸々の実を結ぶことができるようになるためであり、若やいだ木であっても、干からびた木にならないようにするためであり、福音書の中で告げられている斧が、私たちの根もとに決して置かれないようにするためなのです[12]。ですから、私たちは、さらに粘り強く、私たちの主イエズス・キリストとそのおん父に祈りをささげましょう。キリスト・イエズスに栄光と支配が代々にありますように[13]。アーメン。