３ ｢お前は、報酬を集める娼婦のようにはならなかった[1]｣。私たちは、｢報酬を集める娼婦｣と、報酬を集めない別の娼婦について考えてみましょう。実際、この娼婦、つまり｢報酬を集めない娼婦｣が問題になっています。彼女が｢報酬を集めない娼婦｣であり、彼女に、｢おまえは報酬を集めない娼婦のようになった｣と言われるのを読んでみますと、私は次のように言いたい思います。すなわち、｢報酬を集める｣とは、罪を犯して豊かになること、罪を犯して俗世の栄光を手にすること、罪を犯してこの世で幸せに振舞うことだと言いたいと思います。罪によっていわばこれらが生まれるとき、魂は｢姦淫を犯し｣、自らの姦淫の報酬や映画、富やその他を集めます。しかしこれらは、魂が自分の滅びのために集めたものです。しかし姦淫を犯しても俗事において豊かに振舞わず、罪を犯してもこの世において不幸な生活をするとき、この魂は、｢報酬を集めないで｣反対のことを行う娼婦なのです。すなわちこの魂は、姦淫を犯しながら、みずから進んで報酬を与えているのです。｢そしてお前は、お前のすべての愛人に報酬を与えた[2]｣。時として魂は、自分に喜ぶ｢愛人たち｣を富ませます。なぜなら愛人たちは、その愛人から報酬を受け取ったからです。しかし聴衆は、私に言うでしょう。魂が、自分の夫の財産から報酬を取り、それを与えて姦淫を犯すのはどうしてかを説明してくれと。神のみ言葉は、門下の個所でも、他の個所でも、しばしば次のように語っています。すなわち、｢娼婦であるイスラエルは、その愛人に｣夫の持ち物を取って与えたと。夫が、妻に惜しみなく与えたものを、彼女が後で娼婦になって、受け取ったすべてのものを自分の愛人たちに与えたものは何でしょうか。魂の夫は、神のみ言葉です。そして彼は、妻を真に愛する本当の配偶者です。彼は､妻に貞潔を与えました。彼は、義を与えました。彼はその他の善きものを与えました。ですから魂が敵対する霊どもに従おうとしたとき、すなわちもっと平明に言うと、十年の間貞潔に生きていた魂が、最終的に姦淫を犯してしまったとき、その魂が長い時間の労苦の末に自分の夫から受け取った財産を、自分の愛人たちに与えるのです。この血なまぐさい愛人たちは、哀れな魂の諸力を奪い、この魂の富に飛びついて、こう言うのです。｢私はこの魂から、十年来の貞潔を取り去った。私はこの魂から、五年来の正義を奪い去った。私はこの魂の諸力を着服した。神はこの魂がかつて行ったすべての善い事を忘れたのだ。なぜならこの魂は、罪に捕らえられたからだ。そして神はこの魂を忘れてしまったのだ。なぜなら我らの愛人(である魂)は、自分が聞いたものを我らにもらし、すべての善きものを彼女の愛人である我らに伝えた｣と。これらのことを学ぶ私たちは、｢厳重に警戒して私たちの心を守ろうではありませんか[3]｣。そして夫に属しているものを悪しき愛人たちに伝えることが決してないようにしようではありませんか。かえって私たちは、み言葉であり真理である花婿にお願いして、様々な掟を通して、様々なしるしを刻まれた飾り物を私たちのために作ってくださり、私たちが飾り物をつけて、私たちの夫キリスト・イエズスのために準備ができるようにいたしましょう。キリスト・イエズスに栄光と力が代々にありますように。アーメン[4]。