「そして神は、二つの大きな発光体――より大きな発光体は昼間の支配の中にあり、より小さな発光体は夜の支配の中にある――と諸々の星とを作った。そして神は、それらを天の天蓋の中に置いた:それらが、土地の上で輝き昼と夜との権能を持ち、昼の中間と諸々の闇の中間との間を分けるために。そして神は(それが)善いことを見た。そして晩が作られ、朝が作られた。第四の日である[1]」とあります。

太陽と月という大きな諸々の発光体が天の天蓋の中にあると言われているように、私たちの中にもキリストと教会が(があります)。しかし諸々の星をも天蓋の中に神は置きましたから、さらに私たちの中で、すなわち、私たちの心の天の中で諸々の星が何であるかを私たちは見ましょう。

モーセは私たちの中で星です。それは輝き、彼の諸々の行いによって私たちを照らします。そして、アブラハムとイサクとヤコブとイザヤとエレミアとエゼキエルとダビデとダニエルと、神を喜ばせたと聖文書が証言を与えたすべての人たちとが(星です)[2]。実に、「星は栄光において星から異なる[3]」ように、聖なる人たちの一人ひとりも、みずからの偉大さに応じて自分の光を私たちの中に注ぎます。

しかし、太陽と月が私たちの諸々の身体を照らすように、キリストと教会とから、私たちの諸々の精神も照らされます。しかし私たちがそのように照らされるのは、私たちが諸々の精神において盲目でない場合です。実際、太陽と月は、諸々の身体的な目において盲目な人たちを照らしても、彼亜rは、光を受け取ることができません。それと同じように、キリストもご自分の光を私たちの諸々の精神に提供します。しかし、精神の盲目が決して妨げない限りで、彼は私たちを照らすでしょう。たとえそのようなことが起こっても、盲目な人たちは、先ず、「ダビデの子よ、私たちを憐れんで下さいと言い、叫びつつ[4]」キリストに従わなければなりません。それは、彼らが彼から視覚を受け取って後、彼の光の輝きを照射されるようになるためです。

しかし、見る人たちは、キリストによって等しく照らされるのではありません。むしろ一人ひとりは、光の力を受け取ることのできる力量に応じて照らされます。そして、私たちの諸々の身体的な目が太陽によって等しく照らされません。しかし人は、より高い諸々の中へ登り、そして、より高い高所からの直観によって太陽の昇りを観想したなら、その分だけ多くその輝きと熱を受け取るでしょう。それと同じように、私たちの精神も、より高くより崇高にキリストに近づき、彼の光の輝きの近くにますます自分を投げたなら、その分だけより壮麗に、そして、より明晰に彼の光によって照射されるでしょう。それは、彼自身が預言者を通して言っている通りです:「あなた方は、私に近づきなさい。そうすれば、私はあなた方に近づこうと、主は言われる[5]」と。そしてまた彼は言います:「私は、近くにいる神であって、遠くの神ではない[6]」と。

しかしながら私たちは皆、彼の許に同じように来るのではありません。むしろ一人ひとりは、「自分の固有の力に応じて[7](来ます)。実際、私たちが群衆たちと共に彼の許に来ます;そして彼は、諸々のたとえ話を通して私たちを回復させます[8];それは、ひとえに私たちが多くの諸々の断食によって道の中で弱らないようにするために[9]。あるいは私たちは、確かに常に弛まず、彼の諸々の足許に座り、彼のみ言葉を聞くことだけに時間を割きます;私たちが、多くの奉仕に対して決して煩わされず、私たちから取りされれない最善の部分を選びつつ[10]。とにかく、そのように彼の許に近づく人は[11]、彼の光からさらに多くを獲得します。しかし使徒たちのように、もしも私たちが、如何なる場合にも決して彼から離されず、彼のすべての諸々の苦悩の中でも私たちが常に彼と共に留まるなら[12]、そのとき彼は私たちに、群衆たちに語っていた諸々の事柄を秘かに説明して解き明かし[13]、そしてはるかに明晰に私たちを照らします。しかしさらに、人が、ペトロとヤコブとヨハネのように、彼と共に山の中に登ることさえできるほの人物であったなら[14]、彼は、キリストの光によってばかりでなく、彼の父の声によっても照らされるでしょう。



[1] Gn.1,16-19.

[2] Cf.He.11,5; Hom.Gn.IX,2

[3] Cf.1Co.15,41.

[4] Mt.9,27.

[5] Za.1,3.

[6] Jr.23,23.

[7] Mt.25,15.

[8] Cf.Mt.13,34.

[9] Cf.Mt.15,32; Mc.8,3.

[10] Cf.Lc.10,39-42.

[11] Cf.Mt.13,36.

[12] Cf.Lc.22,28.

[13] Cf.Mc.4,32.

[14] Cf.Mt.17,1s.

 

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