又

 耶蘇会者は曰く、「地下も亦天也。若し地を掘り底に到りて、之を臨み、之を見れば、則ち必ず天を視ること井に於いて(天を)鑑みるが如き也。是に於いて石を落とすは、則ち石が地の中間に在りて上がらず下がらず。是は地が天の中間に在ることの証験(=証拠)也」。余は曰く、「我は天地の間を観るに、一物として上下を有さずは無し」。彼は中を以て下と為す。何ぞ(彼は)物が各(=おのおの)上下の理を有するを知るに足らん乎。若し人が有り、隕る(=おつる)石は何処(=いずこ)に止まると問わば、落つる所に落つると必ず曰わん耳(=のみ)。何ぞ上がらず下がらずの有らん。

 

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