ドミニコ会のしがない僕ジョルダスス神父が、恩寵の子であり、光栄の世嗣である同会全修道士に、聖なる勧めを統けんがための健康と喜びとを願う。

み摂理が、近頃の危機に対処するため賜ったこのドミニコ会の起源がどのようであったか、最初の修道士たらがどのような人びとであったか、彼らはどのように増えて来たか、神の恩寵が彼らをどのように励ましてこられたか、これらを知りたいと望んでいる多くの修道士たちに依頼されて、私は調査を行ない、同会の創立者・総長で、また修道士であったキリストの僕ドミニコを見たりその話を聞いた人びとの口から次のことを確かめた。掟を見守り、熱心に忠告を与え、そして創造主の忠実な僕であったあの人物は、神や天使たちと会話をかわし、この世の暗闇の中で、汚れのない生きかたと清いくらしゆえに光り輝いていたということを。

私はこれらを順序立てて述べようと考えている。つまり私は最初の修道士たらのひとりではないが、彼らと交わり、入会以前ばかりでなく入会後に同会で生活したときもドミニコとふたたび会い、彼と親密に交わり、彼に告解をし、会創立四年目に彼の意志により助祭職を受け、そしてこの修道服をまとったからである。われらの父ドミニコの生涯と奇跡について、および思いついたばあいには他の修道士の生涯と奇跡について、個人的に見聞きしたことおよび最初の修道士たちとの交わりによって知り得たことを書きしるしておくべきであると判断したのである。つまりこれから生まれ、立ち上がる子たちが、会の起源を知らないということがないよう、また時が過ぎ去り、その起源を確実に語ることのできる者がいなくなった時、知ろうとしても徒労に終わることがないように。キリストのいとし子である私の兄弟たち、それゆえお前たらの慰めと教化のため、これから述べることを慎しんで受け、われらの最初の修道士たちの愛徳において燃えなさい。