10 デンマークへの二度目の旅

 

多くの仕事を果たしたのち別れを告げてトゥールーズを去り、かの貴婦人の住んでいる地に到着した。使節の目的を述べ貴婦人の同意を得たのち国王に報告するため急いで帰国した。

司教が使いの成功したことと、婦人の同意を得たこととを報告すると、国土は、より以上の贅をつくした服装と豪奢な供者を連れて彼の地へ戻り、最高の栄誉をもって息子の婚約者を導いてくるようにと命じた。

困難な旅に再び出発しデンマークに着くと、その貴婦人がすでに死去していることが判明した。後に見られる諸事でそれと解るように、神はこの旅の終わりをすばらしい方法で用意されたのである。最も素晴しい結婚――種々のあやまりや罪から救われる神と霊との永遠なる結婚――のために役立ったのであるから。