11 司教が教皇に拝謁し、教皇と話したこと

 

司教は、国王へは使者を送り、ローマ教皇庁を配下の聖職者と訪れるのにこの機会を利用した。

教皇イノセント三世に拝謁し、さまざまな理由を申し述べて、自身の不完全さおよび力に余まる役職の限りない尊厳さを主張し、その役職を辞させてくれるよう執拗に請願した。そして、もし彼の嘆願に留意してくれるのならば、全力をもってクマナー人の改宗に身を投じるという心の奥深くにあった計画を教皇にうち明けたのである。

教皇は彼の嘆願を受理することを拒否したばかりでなく、司教区を治めることを命じ、また同時に司教のため彼らの罪を許すためにクマナー人の地に入ることずら許さなかった。

神は彼が救霊のために他の苗床で豊かな収穫を挙げるようにと、この聖なる人に他の仕事をかくれた御摂理によってお与えになったのである。