14 その忠告を実行に移した最初の者

 

神の霊によって動かされ、即座に配下の者たちを呼び、信仰を拡めるためかの地に残ることが彼の目標であることを明らかにし、極めてわずかの人数を伴侶として残し、他の者は荷運びのら馬ときらびやかな行列を従えてオスマへ帰るように命じた。尊敬もし親密な愛情を抱いていた前述のドミニコ院長も残した。

これが、この時より院長ではなく単に修道士とよばれ始めたドミニコ会の創立者・修道者・兄弟ドミニコである。彼は真実神の人であり、主に庇護され、すべてにおいて罪の汚れれない人であり、主の戒めをよく見守っていた人物である。

忠告を聞き入れ、模範によって勇気づけられた司祭たちは、同じようにしようと決心した。荷物を全部出発地に発送し、自分たちのために残っているものは祈りと勉学と議論のみてあった。上長として、またすべての仕事の長として司教をいただき、自らの意志によって選んだ清貧のため、金銭を持たずに歩いて信仰を拡め始めた。

異端者たちが、このことに気付いたとき、彼らもまたますます精を出して彼らの教えを拡め始めた。