2 カレルエガにおけるドミニコの誕生

 

前述の司教と同時代、同じ教区のカレルエガという村にドミニコとよばれる少年がいた。彼の母親は彼を懐妊する前に、火のついた松明を口にくわえた小犬が体内におり、その小犬が身を離れると全世界に火をともしたという夢を見た。このことにより、生まれて来る息子はみ言葉のさけびによって、罪のうちに眠っている魂を呼び覚まし、イエズス・キリストが地上に下だってもたらし給うたあの火を全世界に運んでいく有名な説教師になるものと思われた。幼少より両親およびとくに首席司祭である伯父の教育を受けた。神がご自身のために選び給うたその人が、選ばれた器として幼少から聖なる芳香で満たされ、それを失うことのないように教会典礼を教えられた。