23 兄弟ドミニコの前に現われた最初のふたりの修道士

 

ラテラノ公会議開催のため司教たちがローマへ出発しなければならない時がすでに近づいていたので、彼らは兄弟ドミニコにトゥールーズの誠実で能力のある男をふたり手渡した。ひとりは兄弟ピエール・セイラで後にリモージュの院長になった人物であり、もうひとりは兄弟トマスという大変愉快で口達者な男であった。

兄弟ピエールは兄弟ドミニコと彼の伴侶たちに、トゥールーズに所有していたナルボンス城の近くの何軒かの屋敷を提供した。その時以来彼は、従っていた人びととともに、トゥールーズに居を据えてその家に住み、より謙虚で、修道生活にふさわしい日常を送るようになった。