39 レジナルド神父のパりへの到着とその死

兄弟レジナルドは疲れを知らぬ救霊の熱情にかりたてられてパリに着き、言葉と十字架にかけられ給うたイエズス・キリストを模倣した行ないをもって宣教を始めた。しかし神はこの世からは短い一生をもって彼を連れ去り、行ないによってあの世の長い生命を与え給うた。パリに着いてすぐに、死にいたる病におかされ、この世においては清貧と謙虚を友としたこの人物は、あの神の家ですばらしい宝を受け取るために、安らかな眠りについたのである。

彼はサンタ・マリア・デル・カンポ教公に葬られた。なぜなら修道士たちはいまだ墓地を持っていなかったからである。

虚栄に満ちたはかないこの世で私が知遇を得た兄弟マテオが生存中、感心して彼に訊ねたことがあった。これを思い出さぬわけにはいかない。「総長様。修道服を着て悲しいのですか」。これに対し、彼は謙虚に答えた。「修道会が余りに好きなので、ここでは修業できないと思うのです」。