46 兄弟エンリケに関する啓示

 

エンリケを心から愛し、教育を授けた聖人のような人と、同じ教会の有徳で霊に満ちた人ふたりが、彼らには未知の新しくて聞いたこともない修道会に彼が入ったことを知ると、深く心を痛めた。非常に期待されていた青年が迷ってしまったのだと考え、軽率な決心(彼らの信ずるところによれば軽率な決心)を断念させ、連れ戻すことに決めようとしていた。しかしひとりがいった「ことを急がぬことにしよう。主にみ摂理をお示し下さるよう願って、今夜は祈りのうちに過そう」。

夜が来て祈りについていると、彼らのひとりが高いところから、「主こそこれをなされたかたであり、変えることはできぬてあろう」という声がするのを聞いた。

彼らはこの聖なろ啓示によって確信を得、迷いは消え去った。パリの彼のもとへ手紙を書き、この啓示について順序立ててありのままを述べ忍耐強く耐えるように勧めた。私も信心の思いにあふれ、こころよい蜜のしたたるその手紙を統んだ。